国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)は、遺伝子組換えイネ(スギ花粉ポリペプチド含有イネ)の第一種使用等(※)による栽培を観音台第3事業場隔離ほ場において、平成28年5月19日(木曜日)に種子を搬入し育苗を開始し、平成28年6月1日(水曜日)、6月10日(金曜日)及び6月22日(水曜日)に移植(田植え)し水田での栽培を行ってきましたが、この度栽培を終了しましたので、種子等の拡散防止措置、花粉飛散による交雑調査及び収穫以降の処理等に関してお知らせします。
なお、第1種使用規程承認組換え作物栽培実験指針に基づき実施したモニタリング措置による交雑調査の結果、交雑粒は見つからなかったことをお知らせします。
※第一種使用等:「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律」に基づいた開放系(水田)での使用
記
種子等の拡散防止措置
○防鳥網設置 平成28年6月1日(水曜日)
○防鳥網撤去 平成28年11月8日(火曜日)
*越冬試験を実施した水田6は、12月20日(火曜日)に撤去しました。
収穫以降の処理
○収穫(稲刈り)及び脱穀
平成28年9月27日(火曜日)*水田-No.2,3,5,6平成28年10月12日(水曜日)*水田No.1,4
*水田の位置は、別紙隔離ほ場配置図のとおり
- 稲刈り後直ぐに脱穀し、隔離ほ場内の作業棟内において乾燥機により乾燥しました。
- 収穫量 551.3 kg(粗籾)
- 収穫物は、種子の特性調査、加工プロセスの開発や有効性・安全性を評価する試験のための試験材料として使用します。また、密閉容器等に入れ、他の種子と区別して実験室の冷蔵庫等に保管しています。
○残渣処理 平成28年11月8日(火曜日)
- 残渣(ワラ等)は、不活化処理のため隔離ほ場水田内で裁断(収穫日に実施)し、地下部とともに、隔離ほ場水田内に鋤込み処理しました。
交雑調査
○調査方法(モニタリング用指標作物配置期間 平成28年8月10日(水曜日)~9月2日(金曜日))
- 隔離ほ場を囲むように敷地境界等10箇所に開花期が重複する指標作物「関東糯236号」を植えたポットを設置しました。
○調査結果
- 指標作物から収穫した種子21,702粒を調査した結果、キセニア現象を生じていたものは0粒で、交雑は認められませんでした。
隔離ほ場配置図