生物機能利用研究部門

遺伝子組換え作物の栽培実験

平成29年度遺伝子組換えカイコの飼育管理及びモニタリング調査結果について

国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)は、遺伝子組換えカイコ(高染色性絹糸生産カイコ)の第一種使用等(※)による飼育を大わし事業場隔離飼育区画において行ってきましたが、この度飼育が終了しましたので、遺伝子組換えカイコの交雑防止措置と飼育開始以降の処理等についてお知らせします。

収穫物は、今後実施予定の様々な試験に使用するため、熱による不活化後に繭の状態で保管しています。また、平成29年12月までのモニタリング調査の結果、遺伝子組換えカイコとクワコとの交雑個体は、見つからなかったことをお知らせします。なお、緑色蛍光タンパク質含有絹糸生産カイコについては、平成28年度飼育に係るモニタリング調査を行いましたので、併せてお知らせします。

高染色性絹糸生産カイコ

第1回飼育

○第一種使用等飼育開始(4齢幼虫)(平成29年5月12日(金曜日))
○上蔟(平成29年5月25日(木曜日))
○収繭(平成29年6月2日(金曜日))
○交雑防止措置

  • 飼育室の開閉可能な窓及びシャッター並びに換気口に網を張り、クワコ成虫の侵入を防止しました。
○収穫後の処理・作業
  • 収穫した繭(蛹)は、熱乾燥によりすみやかに不活化しました。(平成29年6月3日(土曜日))
  • 飼育終了後に残るクワの枝等の残渣は、隔離飼育区画内の残渣保管場所で網をかけて30日後まで管理しました。(平成29年5月26日(金曜日)~7月6日(木曜日))
  • 平成30年6月15日(金曜日)まで隔離飼育区画内の残渣管理用の穴に保管することにより不活化します。

第2回飼育

○第一種使用等飼育開始(4齢幼虫)(平成29年7月14日(金曜日))
○上蔟(平成29年7月25日(火曜日))
○収繭(平成29年8月1日(火曜日))
○使用蚕室:パイプハウス蚕室及びプレハブ蚕室
○交雑防止措置

  • 飼育室の開閉可能な窓及びシャッター並びに換気口に網を張り、クワコ成虫の侵入を防止しました。

○収穫後の処理・作業

  • 収穫した繭(蛹)は、熱乾燥によりすみやかに不活化しました。(平成29年8月2日(水曜日))
  • 飼育終了後に残るクワの枝等の残渣は、隔離飼育区画内の残渣保管場所で網をかけて30日後まで管理しました。(平成29年7月27日(木曜日)~8月29日(火曜日))
  • 平成30年6月15日(金曜日)まで隔離飼育区画内の残渣管理用の穴に保管することにより不活化します。

第3回飼育

○第一種使用等飼育開始(4齢幼虫)(平成29年9月15日(金曜日))
○上蔟(平成29年9月27日(水曜日))
○収繭(平成29年10月5日(木曜日))
○交雑防止措置

  • 飼育室の開閉可能な窓及びシャッター並びに換気口に網を張り、クワコ成虫の侵入を防止しました。

○収穫後の処理・作業

  • 収穫した繭(蛹)は、熱乾燥によりすみやかに不活化しました。(平成29年10月6日(金曜日))
  • 飼育終了後に残るクワの枝等の残渣は、隔離飼育区画内の残渣保管場所で網をかけて30日後まで管理しました。(平成29年9月28日(木曜日)~11月7日(火曜日))
  • 平成30年6月15日(金曜日)まで隔離飼育区画内の残渣管理用の穴に保管することにより不活化します。

モニタリング調査

  • 平成29年12月までのモニタリング用トラップ配置期間(平成29年5月22日(月曜日)~12月18日(月曜日))
  • 本隔離飼育区画の四隅の外側に、合成した性フェロモン(ボンビコール)を誘引源として粘着板で捕獲するフェロモントラップを設置し、クワコ雄成虫を捕獲しました。
  • 調査結果
    平成29年5月22日以降、平成29年12月18日までにクワコ雄成虫116頭を捕獲しました。
  • 捕獲したクワコ雄成虫のうち、複眼で緑色蛍光を発現していた個体は0頭、PCR法によって緑色蛍光タンパク質遺伝子が検出された個体も0頭で、交雑は認められませんでした。

緑色蛍光タンパク質含有絹糸生産カイコ

○平成29年度は飼育実験は行わず、モニタリング調査のみを行いました。

モニタリング調査

  • 平成29年12月までのモニタリング用トラップ配置期間(平成29年5月22日(月曜日)~12月18日(月曜日))
  • 本隔離飼育区画の四隅の外側に、合成した性フェロモン(ボンビコール)を誘引源として粘着板で捕獲するフェロモントラップを設置し、クワコ雄成虫を捕獲しました。
  • 調査結果
    平成29年5月22日以降、平成29年12月18日までにクワコ雄成虫116頭を捕獲しました。
  • 捕獲したクワコ雄成虫のうち、複眼で赤色蛍光を発現していた個体は0頭、PCR法によって緑色蛍光タンパク質遺伝子または赤色蛍光タンパク質遺伝子が検出された個体も0頭で、交雑は認められませんでした。