生物機能利用研究部門

遺伝子組換え作物の栽培実験

平成29年度遺伝子組換えカイコの飼育管理及びモニタリング調査結果について

国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)は、遺伝子組換えカイコ(緑色蛍光タンパク質含有絹糸生産カイコ、青色蛍光タンパク質含有絹糸生産カイコ、橙色蛍光タンパク質含有絹糸生産カイコ及び高染色性絹糸生産カイコ、)の第一種使用等(※)による飼育を群馬県蚕糸技術センターとともに群馬県蚕糸技術センター隔離飼育区画において行ってきましたが、この度飼育が終了しましたので、遺伝子組換えカイコの交雑防止措置と飼育開始以降の処理等についてお知らせします。
収穫物は、今後実施予定の様々な試験に使用するため、冷凍による不活化後に繭の状態で保管しています。また、平成29年12月までのモニタリング調査の結果、遺伝子組換えカイコとクワコとの交雑個体は、見つからなかったことをお知らせします。なお、緑色蛍光タンパク質含有絹糸生産カイコについては飼育実験を行わず、平成28年度飼育に係るモニタリング調査のみ行いましたので併せてお知らせします。

緑色蛍光タンパク質含有絹糸生産カイコ

○平成29年度は飼育実験を行わず、モニタリング調査のみを行いました。

モニタリング調査

  • 平成29年12月までのモニタリング用トラップ配置期間(平成29年5月23日(火曜日)~12月19日(火曜日))
  • 本隔離飼育区画の四隅の外側に、合成した性フェロモン(ボンビコール)を誘引源として粘着板で捕獲するフェロモントラップを設置し、クワコ雄成虫を捕獲しました。
  • 調査結果
    平成29年5月23日以降、平成29年12月19日までにクワコ雄成虫207頭を捕獲しました。
  • 捕獲したクワコ雄成虫のうち、複眼で赤色蛍光を発現していた個体は0頭、PCR法によって緑色蛍光タンパク質遺伝子または赤色蛍光タンパク質遺伝子が検出された個体も0頭で、交雑は認められませんでした。

青色蛍光タンパク質含有絹糸生産カイコ

第1回飼育

○第一種使用等飼育開始(4齢幼虫)(平成29年5月22日(月曜日))
○上蔟(平成29年6月6日(火曜日)~7日(水曜日))
○収繭(平成29年6月13日(火曜日);プレハブ蚕室、平成29年6月15日(木曜日);パイプハウス蚕室))
○交雑防止措置

  • プレハブ蚕室の開閉可能な窓、戸及び換気口と、パイプハウス蚕室の内側全体に網を張って、クワコ成虫の侵入を防止しました。

○収穫後の処理・作業

  • 収穫した繭(蛹)は、冷凍によりすみやかに不活化しました。(平成29年6月15日(木曜日);プレハブ蚕室、平成29年6月16日(金曜日);パイプハウス蚕室)

  • 飼育終了後に残るクワの枝等の残渣は、蚕室内で遺伝子組換えカイコを取り除いた上で、隔離飼育区画内の残渣処理室で粉砕処理により不活化しました。(平成29年6月9日(金曜日))

第2回飼育

○第一種使用等飼育開始(4齢幼虫)(平成29年7月14日(金曜日))
○上蔟(平成29年7月25日(火曜日)~26日(水曜日))
○収繭(平成29年8月1日(火曜日);パイプハウス蚕室、平成29年8月3日(木曜日);プレハブ蚕室)
○交雑防止措置

  • プレハブ蚕室の開閉可能な窓、戸及び換気口と、パイプハウス蚕室の内側全体に網を張って、クワコ成虫の侵入を防止しました。

○収穫後の処理・作業

  • 収穫した繭(蛹)は、冷凍によりすみやかに不活化しました。(平成29年8月2日(水曜日);パイプハウス蚕室、平成29年8月3日(木曜日);プレハブ蚕室)

  • 飼育終了後に残るクワの枝等の残渣は、蚕室内で遺伝子組換えカイコを取り除いた上で、隔離飼育区画内の残渣処理室で粉砕処理により不活化しました。(平成29年7月27日(木曜日)~28日(金曜日))

第3回飼育

○第一種使用等飼育開始(4齢幼虫)(平成29年9月13日(水曜日))
○上蔟(平成29年9月29日(金曜日))
○収繭(平成29年10月10日(火曜日);プレハブ蚕室、平成29年10月13日(金曜日);パイプハウス蚕室)
○交雑防止措置

  • プレハブ蚕室の開閉可能な窓、戸及び換気口と、パイプハウス蚕室の内側全体に網を張って、クワコ成虫の侵入を防止しました。

○収穫後の処理・作業

  • 収穫した繭(蛹)は、冷凍によりすみやかに不活化しました。(平成29年10月12日(木曜日);プレハブ蚕室、平成29年10月17日(火曜日);パイプハウス蚕室)

  • 飼育終了後に残るクワの枝等の残渣は、蚕室内で遺伝子組換えカイコを取り除いた上で、隔離飼育区画内の残渣処理室で粉砕処理により不活化しました。(平成29年10月3日(火曜日))

モニタリング調査

  • 平成29年12月までのモニタリング用トラップ配置期間(平成29年5月23日(火曜日)~12月19日(火曜日))
  • 本隔離飼育区画の四隅の外側に、合成した性フェロモン(ボンビコール)を誘引源として粘着板で捕獲するフェロモントラップを設置し、クワコ雄成虫を捕獲しました。
  • 調査結果
    平成29年5月23日以降、平成29年12月19日までにクワコ雄成虫207頭を捕獲しました。
  • 捕獲したクワコ雄成虫のうち、PCR法によって導入遺伝子(HC-Sirius)が検出された個体は0頭で、交雑は認められませんでした。なお、平成29年度の飼育実験に係るモニタリング調査は、平成30年6月中旬から12月中旬まで実施して終了することになります。

橙色蛍光タンパク質含有絹糸生産カイコ

第1回飼育

○第一種使用等飼育開始(4齢幼虫)(平成29年5月22日(月曜日))
○上蔟(平成29年6月6日(火曜日)~7日(水曜日))
○収繭(平成29年6月14日(水曜日);プレハブ蚕室、平成29年6月16日(金曜日);パイプハウス蚕室)
○交雑防止措置

  • プレハブ蚕室の開閉可能な窓、戸及び換気口と、パイプハウス蚕室の内側全体に網を張って、クワコ成虫の侵入を防止しました。

○収穫後の処理・作業

  • 収穫した繭(蛹)は、冷凍によりすみやかに不活化しました。(平成29年6月15日(木曜日);プレハブ蚕室、平成29年6月16日(金曜日);パイプハウス蚕室)
  • 飼育終了後に残るクワの枝等の残渣は、蚕室内で遺伝子組換えカイコを取り除いた上で、隔離飼育区画内の残渣処理室で粉砕処理により不活化しました。(平成29年6月9日(金曜日))

第2回飼育

○第一種使用等飼育開始(4齢幼虫)(平成29年7月14日(金曜日))
○上蔟(平成29年7月25日(火曜日)~26日(水曜日))
○収繭(平成29年8月1日(火曜日);パイプハウス蚕室、平成29年8月3日(木曜日);プレハブ蚕室)
○交雑防止措置

  • プレハブ蚕室の開閉可能な窓、戸及び換気口と、パイプハウス蚕室の内側全体に網を張って、クワコ成虫の侵入を防止しました。

○収穫後の処理・作業

  • 収穫した繭(蛹)は、冷凍によりすみやかに不活化しました。(平成29年8月2日(水曜日);パイプハウス蚕室、平成29年8月3日(木曜日);プレハブ蚕室)
  • 飼育終了後に残るクワの枝等の残渣は、蚕室内で遺伝子組換えカイコを取り除いた上で、隔離飼育区画内の残渣処理室で粉砕処理により不活化しました。(平成29年7月27日(木曜日)~28日(金曜日))

第3回飼育

○第一種使用等飼育開始(4齢幼虫)(平成29年9月13日(水曜日))
○上蔟(平成29年9月27日(水曜日)~28日(木曜日)
○収繭(平成29年10月10日(火曜日);プレハブ蚕室、平成29年10月13日(金曜日);パイプハウス蚕室)
○交雑防止措置

  • プレハブ蚕室の開閉可能な窓、戸及び換気口と、パイプハウス蚕室の内側全体に網を張って、クワコ成虫の侵入を防止しました。

○収穫後の処理・作業

  • 収穫した繭(蛹)は、冷凍によりすみやかに不活化しました。(平成29年10月12日(木曜日);プレハブ蚕室、平成29年10月16日(月曜日);パイプハウス蚕室)
  • 飼育終了後に残るクワの枝等の残渣は、蚕室内で遺伝子組換えカイコを取り除いた上で、隔離飼育区画内の残渣処理室で粉砕処理により不活化しました。(平成29年10月4日(水曜日))

モニタリング調査

  • 平成29年12月までのモニタリング用トラップ配置期間(平成29年6月8日(木曜日)~12月19日(火曜日))
  • 本隔離飼育区画の四隅の外側に、合成した性フェロモン(ボンビコール)を誘引源として粘着板で捕獲するフェロモントラップを設置し、クワコ雄成虫を捕獲しました。
  • 調査結果
    平成29年6月8日以降、平成29年12月19日までにクワコ雄成虫197頭を捕獲しました。
  • 捕獲したクワコ雄成虫のうち、複眼で緑色蛍光を発現していた個体は0頭、PCR法によって導入遺伝子(mKO及びEGFP)が検出された個体は0頭で、交雑は認められませんでした。なお、平成29年度の飼育実験に係るモニタリング調査は、平成30年6月中旬から12月中旬まで実施して終了することになります。

高染色性絹糸生産カイコ

第1回飼育

○第一種使用等飼育開始(平成29年5月22日(月曜日);前半、平成29年5月31日(水曜日);後半)

*開始日が前半、後半の2回に分かれたので、以降の作業も2回に分けて行いました。
○上蔟(平成29年6月7日(水曜日);前半、平成29年6月17日(土曜日);後半)
○収繭(平成29年6月14日(水曜日)~15日(木曜日);前半、平成29年6月26日(月曜日);後半)
○交雑防止措置

  • プレハブ蚕室の開閉可能な窓、戸及び換気口と、パイプハウス蚕室の内側全体に網を張って、クワコ成虫の侵入を防止しました。

○収穫後の処理・作業

  • 収穫した繭(蛹)は、冷凍によりすみやかに不活化しました。(平成29年6月15日(木曜日)~16日(金曜日);前半、平成29年6月26日(月曜日);後半)
  • 飼育終了後に残るクワの枝等の残渣は、蚕室内で遺伝子組換えカイコを取り除いた上で、隔離飼育区画内の残渣処理室で粉砕処理により不活化しました。(平成29年6月9日(金曜日)~12日(月曜日);前半、平成29年6月19日(月曜日);後半)

第2回飼育

○第一種使用等飼育開始(4齢幼虫)(平成29年7月14日(金曜日))
○上蔟(平成29年7月25日(火曜日)~26日(水曜日))
○収繭(平成29年8月1日(火曜日);パイプハウス蚕室、平成29年8月3日(木曜日);プレハブ蚕室)
○交雑防止措置

  • プレハブ蚕室の開閉可能な窓、戸及び換気口と、パイプハウス蚕室の内側全体に網を張って、クワコ成虫の侵入を防止しました。

○収穫後の処理・作業

  • 収穫した繭(蛹)は、冷凍によりすみやかに不活化しました。(平成29年8月2日(水曜日);パイプハウス蚕室、平成29年8月3日(木曜日);プレハブ蚕室)
  • 飼育終了後に残るクワの枝等の残渣は、蚕室内で遺伝子組換えカイコを取り除いた上で、隔離飼育区画内の残渣処理室で粉砕処理により不活化しました。(平成29年7月27日(木曜日)~28日(金曜日))

第3回飼育

○第一種使用等飼育開始(4齢幼虫)(平成29年9月13日(水曜日))
○上蔟(平成29年9月27日(水曜日)~28日(木曜日)
○収繭(平成29年10月6日(金曜日);プレハブ蚕室、平成29年10月12日(木曜日)~13日(金曜日);パイプハウス蚕室)
○交雑防止措置

  • プレハブ蚕室の開閉可能な窓、戸及び換気口と、パイプハウス蚕室の内側全体に網を張って、クワコ成虫の侵入を防止しました。

○収穫後の処理・作業

  • 収穫した繭(蛹)は、冷凍によりすみやかに不活化しました。(平成29年10月12日(木曜日);プレハブ蚕室、平成29年10月13日(金曜日);パイプハウス蚕室)
  • 飼育終了後に残るクワの枝等の残渣は、蚕室内で遺伝子組換えカイコを取り除いた上で、隔離飼育区画内の残渣処理室で粉砕処理により不活化しました。(平成29年10月2日(月曜日)~3日(火曜日)

モニタリング調査

  • 平成29年12月までのモニタリング用トラップ配置期間(平成29年5月23日(火曜日)~12月19日(火曜日))
  • 本隔離飼育区画の四隅の外側に、合成した性フェロモン(ボンビコール)を誘引源として粘着板で捕獲するフェロモントラップを設置し、クワコ雄成虫を捕獲しました。
  • 調査結果
    平成29年5月23日以降、平成29年12月19日までにクワコ雄成虫207頭を捕獲しました。
  • 捕獲したクワコ雄成虫のうち、複眼で緑色蛍光を発現していた個体は0頭、PCR法によって導入遺伝子(EGFP)が検出された個体は0頭で、交雑は認められませんでした。なお、平成29年度の飼育実験に係るモニタリング調査は、平成30年6月中旬から12月中旬まで実施して終了することになります。