国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)は、観音台第3事業場隔離ほ場(以下、観3-隔離ほ場)及び観音台第4事業場高機能隔離圃場(以下、観4-隔離ほ場)において、平成30年3月30日(金曜日)に種子を搬入、同日に育苗を開始し、遺伝子組換えイネ(スギ花粉ペプチド含有イネ)の第一種使用等(※)による栽培を行ってきました。
この度栽培を終了しましたので、種子等の拡散防止措置、花粉飛散による交雑調査及び収穫以降の処理等に関してお知らせします。
なお、第1種使用規程承認組換え作物栽培実験指針に基づき実施したモニタリング措置による交雑調査の結果、交雑粒は見つからなかったことをお知らせします。
第一種使用等:「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律」に基づいた開放系(水田)での使用
種子等の拡散防止措置
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防鳥網設置平成30年4月24日(火曜日);観3-隔離ほ場
平成30年4月25日(水曜日);観4-隔離ほ場
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防鳥網撤去平成30年8月16日(木曜日);観4-隔離ほ場
平成30年9月12日(水曜日);観3-隔離ほ場
収穫以降の処理
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収穫(稲刈り)及び脱穀平成30年8月14日(火曜日);観3-隔離ほ場
平成30年8月16日(木曜日);観4-隔離ほ場
- 稲刈り後直ぐに脱穀し、隔離ほ場内の作業棟内において乾燥機により乾燥しました。
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収穫量491.3kg(粗籾);観-3隔離ほ場
506.0kg(粗籾);観-4隔離ほ場
- 収穫物は、種子の特性調査、加工プロセスの開発や有効性・安全性を評価する試験のための試験材料として使用します。また、密閉容器等に入れ、他の種子と区別して実験室の冷蔵庫等に保管しています。
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残渣処理平成30年8月16日(木曜日);観4-隔離ほ場
平成30年9月12日(水曜日);観3-隔離ほ場
- 残渣(ワラ等)は、不活化処理のため隔離ほ場水田内で裁断し、地下部とともに、隔離ほ場水田内に鋤込み処理しました。
交雑調査
- 調査方法(モニタリング用指標作物配置期間 平成30年6月12日(火曜日)~7月7日(土曜日))
- 観3-隔離ほ場を囲むように敷地境界等10箇所、観4-隔離ほ場は4箇所に開花期が重複する指標作物「はくちょうもち」を植えたポットを設置しました。
- 調査結果
- 観3-隔離ほ場に配置した指標作物から収穫した種子14,747粒を調査した結果、キセニア現象を生じていたものは0粒でした。また、観4-隔離ほ場に配置した指標作物から収穫した種子16,984粒を調査した結果、キセニア現象を生じていたものは0粒で、各ほ場ともに交雑は認められませんでした。
*隔離ほ場の位置は、農研機構隔離ほ場配置図のとおりです。