農研機構生物機能利用研究部門は、農研機構観音台第1事業場高機能隔離圃場にて令和3年5月11日(火曜日)からシンク能改変イネの第一種使用等(※1、2)による栽培を行ってきました。
この度栽培を終了しましたので、種子等の拡散防止措置、花粉飛散による交雑調査の結果及び収穫以降の処理等についてお知らせします。
詳細は別紙をご覧ください。
なお、農林水産省「第1種使用規程承認組換え作物栽培実験指針」(※3)に基づき実施したモニタリング措置による交雑調査の結果、交雑粒は見つかりませんでした。
※1 : 本イネはゲノム編集技術により作出されたイネです(ゲノム編集作物として監督官庁への情報提供をしてないため、遺伝子組換えイネとして取り扱っています)。
※2 : 第一種使用等:「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律」に基づいた開放系(水田等)での使用
※3 : 農林水産省「第1種使用規程承認組換え作物栽培実験指針」
http://www.affrc.maff.go.jp/docs/anzenka/GMsaibai.htm#ssn
別紙1 シンク能改変イネの栽培管理及び交雑調査結果
1. 種子等の拡散防止措置
2. 収穫以降の処理
- ○収穫(稲刈り)令和3年11月1日(月曜日)
- 栽培したイネは、稲刈り後に隔離ほ場内の自然乾燥舎において乾燥後、脱穀を行いました。系統ごとに生育・収量調査等を行うイネ株は、9月21日(火曜日)から11月1日(月曜日)の間にイネの生育状況等を確認しながら順次収穫を行い、自然乾燥舎において自然乾燥させました。
- 収穫物は密閉容器等に入れ、他の種子と区別して実験室の冷蔵庫に保管しています。
- 収穫物は有望系統を選抜するための調査に使用します。
- ○残渣処理令和3年11月1日(月曜日)
- 収穫(稲刈り)後、水田内に残った残渣(ワラ等)や株は、不活化処理のために隔離ほ場内の水田内に鋤き込みました。脱穀後に残った残渣等は、不活化処理のためオートクレーブや焼却にて処分しました。
3. 交雑調査
- ○調査方法
- 交雑の確認は、キセニア現象(モチ品種にウルチ品種の花粉が受粉すると玄米が半透明になること)を利用して行いました。モニタリング用の指標作物として、栽培した遺伝子組換えイネと開花期が重複するモチ品種「モチミノリ」等を用いました。
- 高機能隔離圃場を囲むように、観音台第1事業場敷地境界等にモニタリング用指標作物を植えたポットを設置しました。(モニタリング用指標作物の配置場所については別紙2 図2参照)
- モニタリング用指標作物の配置期間
令和3年7月26日(月曜日)~9月17日(金曜日) - ○調査結果
- モニタリング用指標作物から収穫した種子12,044粒を調査した結果、キセニア現象を生じていたものは各事業場ともに0粒で、交雑は認められませんでした。