作物研究部門

麦栽培マニュアル

さやかぜ

主要特性

  • 短強桿で耐倒伏性に優れる。
  • 縞萎縮病に高度抵抗性である。
  • 押麦用の精麦品質に優れ、麦茶適性がある。 

さやかぜ

写真右下:さやかぜ(左)、カシマムギ(中)、すずかぜ(右)

作業工程

適切な播種量を

10a 当たり 4kg 播きは 7kg 播きに比べて、収量はほぼ同じであるが、千粒重が大きくなる。播種量は標準より少なめで良い。

播種量

収量確保のための適切な施肥管理

淡色黒ボク土の畑圃場では、基肥量は窒素 4kg/10a 程度が適性である。

基肥量

麦茶用には蛋白質含量を確保

さやかぜは、すずかぜよりも蛋白質含量が高い。
麦茶用に蛋白質含量を確保するためには、施肥量を増やす方が良い。

基肥量と蛋白質含量との関係

開花期には赤かび病の防除を 

 さやかぜは、縞萎縮病には極強であるが、赤かび病、うどんこ病にはすずかぜと同じくらい羅病するので、適切な防除が必要である。
注)赤かび病、うどんこ病は一般畑圃場、縞萎縮病は II 型汚染水田圃場での栽培。

病害の発生程度

さやかぜの特性(つくば市)

品種名成熟期穂数
(本/m2 )
収量
( kg/10a )
千粒重
( g )
原麦粗蛋白質含有率(%)
さやかぜ 5月28日 602 615 28.3 14.0
カシマムギ 5月25日 587 580 29.0 13.9
すずかぜ 5月30日 581 608 27.8 13.3

さやかぜの精麦品質(つくば市)

品種名55% 搗精時間
(分:秒)
55% 精麦白度
(%)
砕粒率
(%)
さやかぜ 7:55 44.0 1.2
カシマムギ 8:54 42.7 3.5
すずかぜ 8:44 42.0 1.2

さやかぜの栽培適地

さやかぜの栽培適地は、温暖地東部の平坦地を中心とした地域である。

さやかぜの栽培適地