主要特性
- 小麦縞萎縮病、各種雪腐病、うどんこ病に強い。
- 穂発芽耐性が強く、粉色やめんの色、製粉性に優れる。
写真右下:父品種「北系1354」(左)、きたもえ(右)
適期播種により越冬前の主茎葉数を確保
播種適期は、
道央・道北:9月上旬~中旬 道東:9月20日頃
耐冬性を向上させるため越冬前に十分な葉数の確保が必要。
土壌凍結地帯:5~5.6枚 播種からの積算気温:約500度
多雪地帯:6枚 播種からの積算気温:約580度
播種量は播種期により調整
標準:9~10kg/10a(255粒/m2)
早播:6~7kg/10a(170粒/m2)
遅播:12~13kg/10a(340粒/m2)
施肥量は収量・品質を考慮
施肥量は、ホクシンと同様。
過剰な施肥、後期追肥は子実の蛋白含量を高くし、品質を低下。
病害虫防除は適期防除を
■:健全圃場 ■:発病圃場
小麦縞萎縮病に強く、発生圃場でも高収量維持。その他の病害については、適期防除が必要。
雪腐病:種子消毒、根雪前防除
赤さび病:適期防除(高温年には特に注意)
赤かび病:出穂期~開花期に防除(出穂後に雨の多い時はさらに防除)
収穫は早めに準備
収穫が遅れると穂発芽しなくても粉色、内部品質が低下。
子実水分は35%から試し刈りを行い、粒水分が30%以下になったら本格的に収穫。生育が不揃いな畑や倒伏した畑では部分刈り。
きたもえの特性(訓子府町)
品種名 | 成熟期 | 収量 (kg/10a) | 耐雪性 | 耐倒伏性 | 穂発芽性 |
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きたもえ | 7月28日 | 557 | やや強 | 強 | やや難 |
ホクシン | 7月26日 | 541 | やや強 | 強 | 中 |
チホクコムギ | 7月30日 | 468 | やや弱 | 強 | やや易 |
きたもえの耐病性(訓子府町)
品種名 | 赤さび病 | うどんこ病 | 赤かび病 | 小麦縞萎縮病 |
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きたもえ | やや弱 | やや強 | 中 | やや強 |
ホクシン | やや弱 | やや強 | やや弱 | 弱 |
チホクコムギ | 強 | 中 | やや弱 | やや弱 |
きたもえの品質特性(訓子府町)
品種名 | 製粉性 | めんの評点 | ||
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ミリングスコア | 色 | 食感 | 総合 | |
きたもえ | 84.5 | 16.6 | 33.7 | 71.6 |
ホクシン | 83.5 | 15.4 | 35.1 | 71.8 |
チホクコムギ | 80.8 | 14.0 | 35.0 | 70.0 |
タイセツコムギ | 82.0 | 16.2 | 34.6 | 72.0 |
きたもえの栽培適地
きたもえは小麦縞萎縮病に強く、同病の発生している圃場でも収量・品質が低下しないため小麦縞萎縮病発生地帯に適している。