作物研究部門

麦栽培マニュアル

はるひので

主要特性

  • 春播小麦で、赤かび病抵抗性に優れる。
  • 多収で、製パン性に優れる。
  • 耐倒伏性に優れる。

はるひので

写真右下、左下とも:はるひので(左)、ハルユタカ(右)。

作業工程

播種期は早いほど多収

はるひので ハルユタカ
播種小麦は、生育期間が短いため播種が遅れると大きく減収。
圃場の排水対策は万全にして播種が可能になり次第、播種。

播種期と収量の関係

播種量はハルユタカと同程度

標準:14~16kg/10a(340粒/m2)
遅播きをせざるを得ない場合は播種量を増加。

施肥量はハルユタカを基準に

ハルユタカの肥料量を参考に施肥。

標準施肥量

病害虫は適期防除

必ず種子は消毒。
うどんこ病:病気の発生には注意し、適期防除。
赤かび病:出穂期~開花期までに必ず一度、その後は天候等に注意して防除。
ムギキモグリバエ:5月下旬~6月中旬に防除。

収穫は早めに準備

春播小麦は雨害を受ける頻度が高いため、減収や品質低下を防ぐためには適期収穫が必要。
また、成熟期以降に連続した降雨が予測されることから雨害をさけるため子実水分30%以上で収穫する場合は、収穫作業や乾燥温度に十分気をつけて、外観品質の低下、内部品質の劣化を起こさせないことが必要。

はるひのでとハルユタカの製パン適性

はるひのでとハルユタカの製パン適性
:同一栽培条件におけるハルユタカとはるひのでの点数を示す。

はるひのではハルユタカより吸水性に優れ、作業性も同等か優れる。また、パン体積、パン総合評価もハルユタカより優れる。

はるひのでの特性(訓子府町)

品種名成熟期収量
(kg/10a)
赤さび病うどんこ病赤かび病耐倒伏性穂発芽性
はるひので 8月15日 405 やや弱 やや難
ハルユタカ 8月15日 375 やや強 やや強 やや弱

はるひのでの栽培適地

はるひのではハルユタカより多収で製パン適性に優れ、赤かび病に強い。ハルユタカの収量・品質が不安定な地域に適している。

はるひのでの栽培適地