主要特性
- 「トヨホコムギ」より2日程度早熟である。
- 穂発芽耐性をもち、縞萎縮病や倒伏に強く、多収である。
- 低アミロースであるため、食感のよいうどんができる。
播種適期は10月中下旬
南東北では播種適期は10月中下旬。
適期播種が多収の必須条件、播種の遅れは、収穫期の遅れ、苗立ち不足により減収。
播種量は10kg/10a、ドリル播き。
適正な子実蛋白質含量10~11%をめざした施肥管理
■:収量 ●:子実蛋白質含有率
窒素施肥量は基肥10kg/10a、茎立期追肥3kg/10a、子実蛋白質含量の上がりにくい田の栽培では出穂期追肥2kg/10aが効果的。
多肥条件では倒伏の危険
農林61号に比べて耐倒伏性が強い。ただし、多肥条件では倒伏する場合があり、過剰な施肥は厳禁。
H4~11平均 数字が大きいほど倒伏することを示す。
うどんこ病、赤かび病の防除は適期に
■:赤かび病 ■:うどんこ病
うどんこ病、赤かび病の発生程度は、農林61号、トヨホコムギと同程度のため、適切な防除が必要。出穂期から開花期に薬剤散布。
H4~11平均 数字が大きいほど発病することを示す。
きぬあずまの特性(つくば市)
品種名 | 成熟期 | 収量 (kg/10a) | 耐倒伏性 | 穂発芽性 |
---|---|---|---|---|
きぬあずま | 6月19日 | 584 | 強 | やや難 |
トヨホコムギ | 6月21日 | 544 | 強 | 難 |
きぬあずまの製めん適性(福島県産)
品種名 | めんの評点 | ||
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色・外観 | 食感 | 総合 | |
きぬあずま | 25.0 | 37.4 | 72.9 |
トヨホコムギ | 25.3 | 29.8 | 64.8 |
農林61号 | 24.5 | 35.0 | 70.0 |
きぬあずまの栽培適地
成熟期、収量性からみて、栽培適地は南東北から関東、東海である。積雪地、寒冷地では、雪害、凍害を被る可能性があるため、栽培には向かない。