作物研究部門

麦栽培マニュアル

ネバリゴシ

主要特性

  • キタカミコムギより5~6日、ナンブコムギより0~2日早く収穫できる。
  • 倒伏及び穂発芽しにくく、赤さび病と縞萎縮病に強い。
  • 安定多収で、粒の外観品質が優れる。
  • うどんの粘弾性および滑らかさに優れ、食感が良い。

ネバリゴシ

真右下:ネバリゴシ(左)、キタカミコムギ(右)。

作業工程

種子消毒により高品質・多収化

■:種子消毒 ■:無消毒
播種前の種子消毒により、寒雪害(雪腐病)の発生を防止でき、多収、良質。

種子消毒の有無が寒雪害(雪腐病)、収量・品質におよぼす影響(青森畑園試)

播種適期は9月下旬~10月上旬

■:収量 ■:品質概評
播種適期は、青森県は9月下旬、岩手、秋田、山形の各県は9月下旬~10月上旬。
早播はうどんこ病の発生が多くなり、品質が低下。一方、晩播は寒雪害の発生が多くなり、低収、低品質。

播種量が収量に及ぼす影響(青森畑園試、岩手農研センター)

播種量はドリル播では8kg/10a

●:青森畑園試 ■:岩手農研センター
全面全層播の場合は10~15kg/10a。極端な薄播きは出芽苗立ちが不安定で根雪前までの生育量が不十分。一方、厚播きは過繁茂となり、寒雪害、倒伏およびうどんこ病の多発を招き、収量・品質が不安定。

播種量が収量に及ぼす影響(青森畑園試、岩手農研センター)

融雪期と減数分裂期に、窒素成分量2kg/10aの追肥

■:収量 ■:粉蛋白含量
安定多収、粉蛋白含量の適正化のために、3月中下旬の融雪期と4月中下旬の減数分裂期の2時期に窒素成分量でそれぞれ2kg/10aの追肥を施用。

追肥時期が収量、粉蛋白含量に及ぼす影響(岩手農研)

品質低下を防ぐための適期収穫

●:ネバリゴシ(降雨少) ▲:ネバリゴシ(降雨多)
●:ナンブコムギ(降雨少) ▲:ナンブコムギ(降雨多)
穂発芽性が難であるため、成熟期から10日後までの雨濡れによるアミログラム最高粘度の低下(品質低下)はナンブコムギより小さく、収穫適期幅は大きい。ただし、雨濡れによる外観品質・粉色の低下を防止するため、適期収穫は成熟後5日以内。

成熟期前後のアミログラム最高粘度の変動

ネバリゴシの特性(岩手県)

品種名成熟期収量
(kg/10a)
耐倒伏性赤さび病穂発芽性外観品質
ネバリゴシ 7月6日 357 やや強 強 難 上下
キタカミコムギ 7月11日 330 中 中 やや易 中
ナンブコムギ 7月8日 226 弱 やや弱 難 中

ネバリゴシの製めん適性(岩手県)

品種名めんの評点
色・外観食感食味総合
ネバリゴシ 24.6 40.2 11.3 75.7
キタカミコムギ 24.5 35.0 10.5 70.0
ナンブコムギ 26.5 35.8 10.6 73.7

ネバリゴシの栽培適地

耐寒雪性がやや強いため、寒冷地である東北・北陸地域の根雪日数110日以下の平坦地に広く適応する。特に、根雪期間の長い東北の青森、岩手、秋田および山形の各県に適応している。

標準品種との比較