主要特性
- 硬質で原粒蛋白質含量が高く、醤油や中華麺用に適する。
- 「農林61号」よりも2~3日早生の白粒種である。
- 倒伏にやや強い。
写真右下:農林61号(左)、タマイズミ(右)
播種適期は11月中旬
東海地域では播種適期は11月上中旬。
穂数が立ちにくいので、播種量はやや多く、220粒/m2(約9kg/10a)程度が適する。
後期追肥により子実蛋白質含量が増加
子実蛋白質量を増加させるためには積極的な後期追肥が効果的。水田土壌では、茎立期、
止め葉抽出期に窒素成分各4kg/10aの追肥により、収量、蛋白質含量とも増加する。
赤かび病、赤さび病、うどんこ病の防除は適期に
■赤かび病 ■赤さび病 ■うどんこ病
赤かび病は農林61号と同程度、赤さび病、うどんこ病の発生程度は農林61号よりも多く、
適切な防除が必要。出穂期から開花期に薬剤散布。
農林61号より3日程度成熟期が早く、穂数はやや少ない。
窒素含量が高く、醤油用に適する。
中華麺用は、市販粉に比べ麺の色・硬さは劣るが、麺のなめらかさに優れる。
タマイズミの特性(つくば市、畑条播H6-12平均)
品種名 | 成熟期 | 穂数 本/m2 | 収量 (kg/10a) | 子実蛋白質含量 (%) | 耐倒伏性 | 穂発芽性 |
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タマイズミ | 6月9日 | 304 | 317 | 12.5 | 中 | やや難 |
農林61号 | 6月12日 | 377 | 334 | 11.6 | やや弱 | 難 |
タマイズミの醤油用の品質評価(三重県醤油味噌工業協同組合)
品種名 | 窒素含量 (1.9%以上) | 膨化度 炒り前後の容積比 (1.5±0.1) |
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タマイズミ | 2.01 | 1.57 |
農林61号 | 1.51 | 1.35 |
( )内は、醤油用の適正値
タマイズミの中華麺用の品質評価(A社による)
品種名 | ゆで前麺の色 | ゆで直後 | ゆで7分後 | ||||
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硬さ | 粘弾性 | なめらかさ | 硬さ | 粘弾性 | なめらかさ | ||
タマイズミ | 4.7 | 6.6 | 7.0 | 7.4 | 6.3 | 7.1 | 7.5 |
市販粉 | 7.0 | 7.0 | 7.0 | 7.0 | 7.0 | 7.0 | 7.0 |
生麺に適した市販粉を標準7点とし、良好であれば数値が高くなる。
タマイズミの栽培適地
成熟期からみて関東、東海、中国地域である。子実蛋白質含量は農林61号よりも高いが、収量は低いので、厚播きにする。白粒であり刈り遅れしないように、適期収穫を確実に行う。