主要特性
- 粉色、ゆで麺の色・食感が優れる。
- シラサギコムギより1~2日、農林61号より4~5日早く収穫できる。
- 短稈で倒伏しにくい。
写真右下:ふくさやか(左)、シラサギコムギ(中)、農林61号(右)
播種適期は地帯・標高により異なる
播種適期は、瀬戸内沿岸では11月中旬、近江盆地では11月上旬、中国地方の標高300m地帯では10月下旬。ただし、土が加湿な時に播種すると発芽・生育が不良となるので、土が乾いている時に播種する。
排水対策により発芽・苗立の確保
発芽・生育を良くするには、暗渠や明渠により排水を改善することが最も重要。
圃場によっては不耕起播種も有効。
施肥量を増やして収量向上
ふくさやかは穂数がやや少なく、また短稈で倒れにくいので、多肥栽培で増収する。
めん用として適正な蛋白質の確保
近畿・中国地方には蛋白質含有率が低くなりがちな地域が多いので、そのような地域では、晩期追肥(出穂10日後)により、蛋白質だけでなく粒重も増える。
ただし蛋白質含有率が高くなりすぎると粉色が悪くなるので、蛋白質含有率約10%を目標とする。
ふくさやかの特性(広島県福山市)
品種名 | 出穂期 | 成熟期 | 稈長 (cm) | 穂長 (cm) | 穂数 (本/m2) | 収量 (kg/10a) | 千粒重 (g) |
---|---|---|---|---|---|---|---|
ふくさやか | 4月15日 | 6月2日 | 84 | 9.0 | 463 | 477 | 35.2 |
シラサギコムギ | 4月18日 | 6月3日 | 94 | 7.9 | 411 | 434 | 38.6 |
農林61号 | 4月18日 | 6月7日 | 93 | 8.6 | 510 | 464 | 37.8 |
ふくさやかの大手製粉会社による製めん適性(広島県福山市、平成9~13年産)
品種名 | 製粉歩留 (%) | ミリング スコア | ゆで麺の評点 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
色(20) | 外観(15) | 食感(50) | 食味(15) | 合計(100) | |||
ふくさやか | 71.5 | 81.5 | 16.5 | 10.6 | 37.4 | 11.1 | 75.5 |
シラサギコムギ | 72.2 | 82.6 | 14.1 | 9.8 | 35.5 | 10.6 | 70.0 |
農林61号 | 70.7 | 78.2 | 15.0 | 10.0 | 35.6 | 10.5 | 71.2 |
ふくさやかの栽培適地
成熟期や収量性等から判断される栽培適地は、関東から九州までの非積雪地帯である。