果樹茶業研究部門

果樹の災害対策集

2.防風施設はどのような構造にしたらよいか

1) 防風林および防風垣の構造・形態

理想的な防風林の形状は垂直で角が尖った四角柱型がよく、丸味を帯びると効果が低下する。しかし、風上側の生育は悪いので、風下側をできるだけ垂直になるような屋根型か片屋根型に作る。また、林帯幅が広い場合にはかなりの凹凸のある防風林型とし、その粗い樹冠表面で風のエネルギーを吸収させると効果的である。特に霧、塩分などの吸着がよくなる。このような防風林には樹齢の異なる複層林がよい。

2) 防風ネットの構造

防風施設の構造決定には、主柱、支柱、張線、アンカーなどのハードの部分の選定とネットの選定(密閉度、糸の太さなど)が重要である。構造強度については、先に求めた基準風速をもとに計算を行う。

ネットの構造については、1本の主柱をもつ垂直の垣根状のものが多いが、それ以外に減風効果が大きい2本の主柱をA型に組み合わせたA型フレーム支柱ネット防風垣が考案されている。A型防風ネットは当初基準風速を42m/sとし、コンクリート基礎上にL型鋼を高さ3m に77度で傾けて頂角26度でA型のフレームを作り、その上に6mm目のネット資材(1枚の密閉度30%)を二重張りしたものである。風がネットを2度通過し、ネット2枚で実質の密閉度は60%となり、減風効果が高い。

図:破風効果の大きいネット防風垣A型フレーム支柱(図:破風効果の大きいネット防風垣A型フレーム支柱)