根が切れて傷んでいる場合、環状剥皮効果と同様に地上部の耐寒性はむしろ強まることも考えられるが、今回(1991年)は落葉被害を伴っていることから、貯蔵養分の減少による樹勢低下から寒害を受ける可能性がある。当年中に樹勢を強める対策を実施するとともに、葉の保護と発根の促進を図るように努めることが大切である。
台風による枝折れなどの障害部は、耐凍性の低い形成層、木質部が露出することから寒害にあう可能性が高いので、障害発生後直ちに癒合剤などで傷口を被覆する必要がある。また、根の被害は地際部の寒害として現われやすいので、主幹に白塗剤を塗るか、地際部にこもを巻いて保護する。