果樹茶業研究部門

果樹の災害対策集

6.防寒に対する敷き藁の効果はどうか

冬期の土壌乾燥は、樹体水分の減少から葉の生理機能の低下を招き、樹体の耐寒性を低下させ、落葉の助長や花芽分化の抑制につながる。土壌乾燥による耐寒性の低下を防ぐには、樹冠下に敷き藁を行い土面蒸発を抑制するとともに、潅水を行って土壌水分を適湿に保つことが大切である。

ただ、全面に敷き藁すると日中の太陽熱を遮断して地温の上昇が抑制され、夜間は地温の熱放射が妨げられるため樹冠下部の気温が低下して、下枝の寒害(凍害)を助長することがある。従って、敷き藁を行う場合には、樹幹周辺を除く部分被覆とすることが望ましい。特に寒害を受けやすい幼木園では留意しておく必要がある。