果樹茶業研究部門

果樹の災害対策集

19.被害にあったカンキツについて、着色が遅れている果実の着色方法と、減酸など果実品質向上の方法と貯蔵管理について教えてほしい

本来は品質重点で販売すべきで、品質(特に糖)が十分に出荷基準を満たしていることを前提に着色促進処理を行う。

着色が進んでいないウンシュウミカン果実は、20℃で7~10日間の高温予措を行う。緑色が多く残っている果実ではエチレン(5~10ppmになるように)を加えると早く脱緑する。高温予措によって、着色促進と同時に減酸も進めることができる。

台風によって果実に傷が付いていることが多いので、高温予措期間中に腐敗が多く発生すると思われるが、これらの果実は貯蔵・流通中に腐敗するので、予措後に取り除いた方が小売などでのクレ-ムが少なくて済む。

貯蔵管理については、出荷時期との関連もあるが、酸が高ければ8~10℃、低い果実では3~5℃で貯蔵する。温度制御のできない貯蔵庫では、外気温に応じて外気を導入し、適正温度に近づける。