落葉は貯蔵養分の減少を招き、葉芽・花芽の発育に影響を及ぼし、その結果、翌年の生産に影響することになる。前年の初秋に種々の程度に摘葉処理を行って、貯蔵養分の多少と翌春の各部器官の発育との関係を調査した試験成績がある。これによると、秋季における摘葉(9月25日処理)の程度の著しいものほど、翌年の新梢の発育が劣り、完全花粉の割合が低く、それに伴って結実率が低下し、収穫時の粒重と果房重が小さかった。1991年の台風19号による落葉で翌年のブドウの花穂が小さくなったことが、各地で 観察されており、新梢の伸びの悪いところもあった。
なお、落葉した後で新梢の未登熟部分から再発芽することがよくあるが、これは樹体の養分消耗をもたらすので、早めに摘芽あるいは摘心をするのが良い。また、再発芽が多くなりそうな場合には、未登熟部分を剪除するのも良い。