果樹茶業研究部門

果樹の災害対策集

3.被害樹の施肥管理はどうすればよいか

落葉した樹の根は傷んでいると考えられ、養水分の吸収能力も落ちている。また、翌春の根の伸長開始期が遅れるとともに、新根の伸長量も著しく劣ることが確かめられている。これらのことから、落葉した園の施肥管理は次のようにするのが良いと考えられる。

傷んだ根の活力を回復させるために礼肥の施用は中止する。基肥として施された肥料の吸収量は平年よりも少なくなると考えられるので、施肥量は平年よりも少なくするのが良い。落葉率が30%以下の園では基肥は基準量とし、落葉率が50%以上の園では基準量の80%程度とする。施肥時期は平年どおりとする。翌春の発芽が平年どおりであれば、残りの20%は追肥として施用する。また、肥料の種類は基肥は緩効性の有機配合や有機質肥料を中心とし、追肥には速効性のものを用いる。翌春の葉色が薄かったり、新梢の伸びの悪い場合には液肥の葉面散布を行うのも良い。

なお、基肥施用後、肥料を土と混和するために中耕をすることが多いが、落葉の多い場合には根の切断を避けるために中耕をやめるか、ごく浅く行うのが良い。