果樹茶業研究部門

果樹の災害対策集

3.落葉後の果実の管理はどうすればよいか。

台風による落葉被害に伴って、果実の品質低下や空洞果の発生が認められることが明らかにされている。9月中旬までの落葉被害が果実品質への影響が大きく、落葉率も30%以上になると品質低下が顕著であった。空洞果は落葉までは葉の陰にあった果実が落葉後に直射日光や非常な高温に晒されて種子の周辺の細胞が破壊されて起きる一種の日焼け症であるが、商品性が全くなくなってしまう。

果実品質の低下を軽減するには被害後の摘果を行う必要がある。小玉果や奇形果を中心に落葉程度に応じて行う。また、収穫時期が遅いほど糖度は高まる。しかしながら、収穫時期が遅くなると翌年の着果数は低下するために、着果確保のためにはできるだけ早い収穫が必要である。このように当年の品質と翌年の着果確保のいずれに重点をおくかによって対応が異なるので被害状況に応じた管理が必要である。空洞果は落葉後の果実をできるだけ直射日光から遮るような覆いをして果実温の上昇を防ぐ必要がある。外見上は健全果との判別ができないが、収穫後に水選によって空洞果を選別することが可能である。