果樹茶業研究部門

果樹の災害対策集

1.被害樹の摘房は、何を目安にどの程度行えばよいか

被害樹は着房が多すぎると、果実肥大のために樹体内の養分を消耗して、被害回復を遅らすことになる。また、果実肥大が悪く小玉になるので、被害程度に応じて摘房し着果数を制限する必要がある。

被害の甚しい(70%以上の落葉)樹は、樹勢を回復させることが先決で、全部の花房を摘除する。被害程度が中(30~70%の落葉)および軽(30%以下の落葉)の樹では、落葉程度を摘房の目安とする。通常年の‘茂木’では、結果枝の50~60%の着房率が基準である。従って、落葉率50%の樹では25~30%、落葉率30%の樹では15~20%を着房させることができる。しかし、落葉した樹では残存葉が損傷しているので、実際にはもっと強い摘房が望ましい。

秋に着葉数の少ない結果枝の花房を摘房し、さらに春の袋掛け時に樹勢の回復状態および寒害の程度をみながら再度の摘房を行って、適正な着房数とする。