果樹茶業研究部門

果樹の災害対策集

4.被害樹の病害虫防除はどうすればよいか

台風後は風傷によって病原菌の感染および害虫の食入が容易になっているので、台風通過後直ちに薬剤散布を行う。がんしゅ病と灰斑病の同時防除を図るため、カスガマイシン・銅剤(商品名,カスミンボルドーなど)を使用し、ナシヒメシンクイムシの食入防止のため、カルタップ剤(商品名,パダン水和剤)を必ず加用する。

倒伏および落葉による樹勢低下によって白紋羽病が多発するので、病根の削り取り後の薬剤処理を徹底する。この場合、樹勢回復のためイソプロチオラン剤(商品名,フジワン粒剤)を土壌に混和する。改植の場合は必ず土壌消毒を行う。

また、褐斑病の多発も予想されるので、適期防除を徹底する。被害園におけるナシマルカイガラムシ防除のためのマシン油乳剤の散布は、落葉を助長する恐れがあるので散布しない。