果樹茶業研究部門

果樹の災害対策集

5.花芽不足の対処法として花芽接ぎが考えられるが、その方法と効果について教えてほしい

ナシの花芽接ぎの技術は、亜熱帯などで花芽形成が十分でなかったり、休眠覚醒が不十分で発芽が不揃いな地域において、結実確保の目的で利用される。本方法は、充実した花芽の着いた枝を穂木とし、樹勢の強い成木の主枝や亜主枝から伸びた徒長枝または側枝に切接ぎを行い、結実確保を図るものである。

台湾などの亜熱帯地域では、春先の花芽接ぎが実用技術として普及し、高品質の果実を生産しているが、我が国では温度・日照の不足、接ぎ木による生育の遅れなどのため、技術的には可能であるが、商品価値の高い果実の生産は保証できない。