果樹茶業研究部門

果樹の災害対策集

2.強風害と地形、方位との関連について教えてほしい

落果被害は、千曲川の東側で大きく、風が吹き降りたと思われる長野市若穂の川田地区と綿内地区の沢筋でも被害が大きかった。最も広範囲で被害が甚大だったのは川に沿った風と南から山を越えた風がぶつかったと思われる須坂市および上高井郡であった。一方、善光寺平の西方に位置する長野市藤ノ井の共和地区や北方に位置する浅川地区ではほとんど被害がなく、地理的条件により被害に大きな差が認められた(図3)。狭い盆地内で、なぜこのような地域差が生じるかは不明であるが、千曲川東側地域は過去においても大きな被害を受けたことがあり、今後とも強風対策に取り組む必要があると考えられる。

 

図3 長野市、須坂市、小布施町、豊野町における台風7号による果樹園被害の3次元画像(宇都宮大学、1998年)
図3 長野市、須坂市、小布施町、豊野町における台風7号による
果樹園被害の3次元画像(宇都宮大学、1998年)