果樹茶業研究部門

果樹の災害対策集

3.樹高や樹形、整枝法の違いによって、強風による被害程度に差がみられたか

‘平核無’などでは樹高を2.5~3mに低くする、いわゆるカットバック剪定が導入されている。樹高や樹形そのものと被害程度との関連は今回の調査では明らかではなかったが、単なる低樹高だけでなく主枝などの結束状態が被害軽減効果に大きな影響を持つ。今回の被害で棚栽培あるいは低面ネット栽培では慣行の開心自然形と比べて落果、落葉、樹体被害が大幅に少ないことが実証された。これらは樹高が低くなると同時に樹冠が平面であり風が吹き抜けやすくなるために被害が生じにくいと考えられる(耐風栽培法参照)。しかし、慣行栽培であっても支柱や主枝間の結束が十分に行われていれば被害は軽くなることが認められた。また、主枝の分岐角度や車枝の有無が枝の欠損被害を左右する。