果樹茶業研究部門

果樹の災害対策集

6.強風害と地形、方位との関連について知りたい

今回の台風では西~南向きの園が被害が大きい傾向にあったが、標高が異なれば他の方位の園地も被害が大きいところもあり、園地の向きは大きな要因ではなかった。

しかし、地形的な点では、比較的近距離の地域内でも地形によって被害程度が大きく異なっていた。奈良県では尾根筋の風衝地にある園地で被害が大きいことが認められている。また、和歌山県では台風進路に位置した伊都地方においては紀ノ川両岸ともに尾根筋や西南、南面の園地で被害が多く、平坦地では西に開けた紀ノ川沿岸部で被害が大きく、また、紀ノ川上流ほど被害が大きかった(図2)。また、周りに風を遮る地形的要因がない圃場や周囲との標高差が大きい園では被害が大きかった。

 

図2 台風7号の進路(→)と和歌山県のカキ園の被害状況(和歌山県、1998年)
図2 台風7号の進路(→)と和歌山県のカキ園の被害状況(和歌山県、1998年)