果樹茶業研究部門

果樹の災害対策集

1.台風が近づいてからできる対策について教えてほしい

成木園では短時間で有効な防災対策をとることは困難と思われるが、着果した枝が大きく揺れると枝折れの原因になることから、枝の結束を行ったり、あるいは風に対する抵抗を弱めるため摘果を行い、枝を軽くするなどの対策をとる。成木の園では太い枝の支柱の設置や締め直しなどは有効な対策である。1~2年程度の幼木で樹高が低い場合は、風を受けにくいので被害が少ないことが多く、仮に被害を受けても経営的打撃は若木に比べて軽微である。まず、成木の支柱の見直しを最優先し、余裕があれば他も見直す。

ハウスの場合は、台風情報などに注意し、ハウスの強度を上回る強風が吹く可能性がある場合は、早急に天窓、サイドの換気部分を全開にするとともに、天井や妻のビニールを外して風がハウス内を速やかに抜けるようにする。台風襲来間近でビニールを外す時間的余裕がない場合は、カッターナイフなどで切れば、短時間で風の通り道を確保でき、パイプや柱、施設の基礎の損害を最小限にくい止めることができる。