前年秋に未熟リンゴ果実を3.5kg/m2すき込むと、無機態窒素の取り込みが見られ、その後窒素の取り込みは徐々に少なくなったが、翌年春の無機態窒素の量は、未熟リンゴ果実をすき込まなかった場合と比較すると少ない状態であった。
しかし、前年秋に未熟リンゴ果実を3.5kg/m2すき込み、C/N比が25程度となるよう石灰窒素を添加すると、翌年春には土壌の無機態窒素量が無処理区とほぼ同じになり、未熟リンゴ果実すき込みによる窒素の取り込みの影響はなくなった(図10)。
このように、石灰窒素を添加して腐熟を促進することにより、未熟リンゴ果実3.5kg/m2までならリンゴ園にすき込んでも窒素飢餓は起こらなかった。