果樹茶業研究部門

果樹の災害対策集

1.被害樹の落葉時期を遅らせる方法とその効果について知りたい

早期落葉は、貯蔵養分の減少により翌年の生育に悪影響を及ぼす場合があり、貯蔵養分の減少を抑制するためには、被害後の着果制限が最も有効である。また、残った葉の落葉時期を遅延させることも有利と考えられる。落葉時期を遅らせる方法としては、被害後のジベレリン(GA3、100ppm)散布が有効で、‘刀根早生’では10月8日散布で約2週間落葉が遅くなった(和歌山県、1998年)。しかし、カキの葉の光合成速度は10月中旬以降急速に低下することから、約2週間の落葉遅延では休眠期の結果枝の貯蔵養分や翌年の生育には影響は見られなかった。