果樹茶業研究部門

果樹の災害対策集

1.ハウス栽培における台風対策について知りたい

ハウス栽培の台風対策に対する考え方は、被害の発生時期が果実の収穫の前後で大きく異なる。収穫前の果実の着果している時期であれば、強風による果実の落下、擦れ傷、汚染果の発生などを避ける意味で、ハウス倒壊の危険のない範囲(風速25m以下)で極力、被覆資材を残したい。そこで、事前対策として、控えアンカーの増設、ハウスバンドの締め直し、換気扇の作動により強風害の防止に努める。ただし、気象庁の発表する台風情報に注意し、施設本体に被害が生じそうな場合には、ハウスバンドと被覆フィルムを切断して骨組みの保護を優先するようにする。

ハウスに被害が生じた場合で、軽微な被害では降雨による汚染果、病虫害の発生を防止するために、予め補修資材を準備しておいて早急に補修する。また、収穫間近で屋根部の被覆フィルムが破損し修復が困難な場合は、再被覆の必要はないが、汚染果軽減のために園内の排水対策、マルチなどを行うことで園内の湿度の低下を図る。さらに、カメムシ類、炭疸病などの防除対策を徹底する。

台風襲来が収穫後の場合には、ハウスの倒壊防止を第一に考えて、事前に被覆フィルムを除去する必要がある。