果樹茶業研究部門

果樹の災害対策集

3.現地の調査結果から、柱基礎が構造上の脆弱部の1つであることを明らかにしているが、柱基礎の補強法について教えてほしい

現地で多くみられたのが、現場打ちコンクリートを用いた簡易な基礎の被害である。これらの基礎は柱周囲の土を浅く掘り、その穴にコンクリートを流し込んで作製している。このため、周囲の地盤との摩擦抵抗が期待できない。現に、これらの基礎の多くが引き抜きに耐えることなく地上に抜け出していた。また、根入れが浅いことから、基礎に作用した曲げモーメントによって、転倒する被害を生じていた。

コンクリート二次製品の置き基礎を使用した基礎にも、被災しているものがあった。間口8m、軒高さ2.5m、棟高さ4.1m、鉄骨柱の間隔3.0m、2連棟の解析モデルによる計算例では、20×20×60cmの置き基礎の場合は、40m/sの風には耐えられるものの、50m/sになると基礎が抜け出してしまうことがわかった。引抜き強度を増すための方法として、基礎の寸法を大きくすることが挙げられる。この計算例では、短辺の長さを増して26×26×60cmとするか、深さを増して20×20×80cmにすると、計算上では風速50m/sの風に耐える結果となる。