果樹茶業研究部門

果樹の災害対策集

3.被害翌年の生育初期における葉面散布は、樹勢回復法として有効か

落葉被害などによって樹体は貯蔵養分が減少し、樹勢が低下することが懸念され、翌年の生育初期の葉面散布が樹勢回復の方法として考えられる。台風による落葉被害樹について、被害翌年の生育初期(発芽後10日ごとに5回)における液肥(高度化成肥料(14-15-9)、1,000倍液)の葉面散布では、樹勢回復効果は認められなかった(和歌山県、1998年)。しかし、葉面散布については効果がみられている場合もあり、品種や散布時期、樹勢、葉面散布剤の種類、濃度、被害程度などにより反応が異なる可能性が大きい。特に、葉色が薄く、窒素含量が少ない樹体での葉面散布は効果があると考えられる。液肥の散布については葉面からのみでなく、根の活動が行われている時期であれば速効性肥料の葉面と土壌施用の併用で、より効果が上がることも期待できる。