果樹茶業研究部門

果樹の災害対策集

5.翌年の生育に及ぼす強風害の影響を事前に予測できれば、合理的な施肥や剪定などの技術対応が可能となる。事前予測技術について教えてほしい

翌年の成長に及ぼす影響を予測するために一連の試験が行われた。すなわち、摘葉処理(50%および100%)を行った樹体の枝を休眠期に切って、頂芽から25cmの長さに調整し、育苗培地に挿し木した。その後、休眠枝と培地を温度25℃、湿度90%の恒温恒湿庫に入れて、発芽、生育が調べられた。その結果、加温後25日目の頂芽新梢長と着蕾数をみると、‘平核無’では摘葉程度が強くなるほど新梢長が短く、着蕾数も少なくなった(和歌山県、1998年)。しかし、‘刀根早生’や‘富有’では、こうした傾向はみられなかった。品種によっては、処理間で発芽した日の生育や着蕾数に差が認められなかったが、挿し木の条件などをさらに今後検討することによって、正確な予測が可能であると考えられる。