果樹茶業研究部門

育成品種紹介

ふじ

リンゴ品種「ふじ」は、現在日本で最も多く栽培されているリンゴ品種(リンゴの生産量の51%)です。品種名は育成地である青森県藤崎町と名峰富士山にちなんで名付けられました。

主要特性

  • 成熟期は盛岡で10月下旬~11月上旬で、晩生です。早期落果、収穫前落果は少ないです。
  • 果形は円~やや長円で、斜形果が生じやすいです。大きさは中で300g前後あります。果色は褐紅色に鮮紅色の縞が入り、年により梗あ部の裂果がみられることもあります。
  • 果肉は黄白色で硬く、肉質はやや粗雑ですが、多汁で甘味が強く、食味は良好です。糖度14~16%、リンゴ酸0.4~0.5%を示し、蜜が入ります。
  • 果実の貯蔵性が極めて優れ、冷蔵で5ヵ月以上あります。
  • 樹姿は開張性、樹勢が強く生育旺盛で、豊産性です。斑点落葉病に対して中程度の抵抗性を示します。

「ふじ」の結実状況「ふじ」の結実状況

出願番号
(出願日)
公表日 登録番号
(登録日)
育成者権の存続期間

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種苗法による品種登録制度が行われる前に育成した品種です。農林認定品種として登録されています。

交配組み合わせ 旧系統名
国光×デリシャス リンゴ東北7号

栽培適地

東北地方全般並びに長野県、山梨県におよびます。ことに着色の点から東北北部並びに暖地における標高の高い地域に適しています。

農林認定品種(旧:命名登録品種)

登録番号:りんご農林1号

登録年月日:1962年4月21日

育成担当者

定盛昌助、吉田義雄、村上兵衛、石塚昭吾

発表論文

園芸試験場報告. C, 盛岡1号, p.1-6(1963-03) : リンゴ新品種「ふじ」について