畜産研究部門

生産性の向上

育種改良や飼養・栄養管理技術の高度化により1頭当たりの乳生産や増体量は年々増加しています。例えば1頭当たりの乳量が高まると、1頭当たりのメタン産生量は増えますが、乳量当たりのメタン産生量は減ります。つまり、1頭当たりの生産性の向上は、飼養頭数の減少につながるため、全体としてメタン産生量を減らすことができます。

他にも、初産の分娩月齢の遅れや、乾乳期間(牛乳を生産しない休止期間)の長期化は、生産物当たりのメタン排出量を増加させますので、繁殖をうまく回し、非生産期間を短縮することも大切です。当然のことながら、子牛の損耗や、乳量の低下や廃棄に繋がる乳房炎などの生産病も少ない方が生産物当たりのメタン排出量は低下するため、牛の健全性を高めることも重要です。

このような技術は生産者の方にとって当たり前のことかもしれませんが、一つ一つの技術を積み重ねることで牛からのメタン排出量の削減に貢献できることも知っていただきたいと考えています。