畜産研究部門

遺伝子組換え飼料作物の圃場試験について

栽培実験の状況(平成26年度)

このページでは、平成26年度 [隔離ほ場における生物多様性影響評価試験]における栽培実験の状況をお知らせしています。写真をクリックすると大きい画像が開きます。
(2015年3月30日更新)

栽培実験の状況
除草剤グリホサートの影響を受けない遺伝子組換えトウモロコシ(改変epsps grg23ace5, Zea mays subsp.mays (L.)Iltis)(Event VCO-01981-5)を隔離ほ場で栽培

(3月30日更新)

11月になり、ほ場のトウモロコシはすべて枯死しています。

枯死しているトウモロコシ(圃場の様子)

データをすべて取得したので11月28日までに地上部をすべて刈り取り、堆肥置き場に集積しました。なお、組換え体の種子は別途すべてオートクレーブしてから堆肥置き場に集積しました。

地上部刈り取り後の圃場地上部の集積

また、組換え体が耐寒性を新たに獲得していないことを示す実験を行いました。即ち、温室で育苗したトウモロコシを12月10日に圃場に置いたところ、組換え体、非組換え体のいずれも枯死しました。

低温耐性試験結果

3月26日、地下部もすべて掘り取り、堆肥置き場に集積しました。

地下部掘り取り後の圃場地下部の集積

これにより、平成26年度の畜産草地研究所隔離圃場における遺伝子組換えトウモロコシの生物多様性影響評価試験はすべて終了しました。結果については、近々当HPにUP予定です。
なお、平成27年度の栽培予定はありません。

(10月15日更新)

播種12、14、及び16週間後の様子です。トウモロコシはだいぶ葉や茎が枯れて、実が熟してきました。

播種後12週~16週の様子

10月6日及び10月13日と2週連続して台風が通過して多くの被害をもたらしましたが、幸いここのほ場は多少茎が折れた程度で大きな被害はありませんでした。

台風19号通過後の様子

先週、調査個体(各反復から無作為に5個体抽出)の草丈、生体重等を測定・比較しましたが組換え体と対照品種の間に有意差はありませんでした。今後、10月中に越冬試験用の個体を除いて順次収穫ののち不活化していく予定です。

(8月26日更新)

播種8~10週間後の様子です。

播種8~10週間後の様子

7月31日に出穂が始まりました。花粉が飛ばないように、雄穂を切除します。

出穂と雄穂の切除

切除した雄穂はオートクレーブ滅菌してから隔離ほ場内の堆肥置き場に埋めます。

雄穂の廃棄と堆肥化

8月3日に初めて雌穂が抽出しました。

絹糸抽出

8月7日から交配を始めました。試験区の周りに植えてある市販品種の雄穂を紙袋の中に入れてパタパタと揺らすとおしべと花粉がとれます。花粉だけ必要なので、茶漉しで花粉だけ集めます。

交配用花粉採取

十分な量の花粉がとれない場合は、石松子という増量剤を混ぜてから雌蕊にふりかけます。各反復から5個体生育調査用にランダムに選び、8月18日に40個体の交配がすべて終了しました。

交配の様子

(7月25日更新)

7月22日に関東甲信地方の梅雨明けが発表されました。トウモロコシは順調に生育しています。

播種3週間後
播種3週間後

播種4週間後
播種4週間後

播種5週間後
播種5週間後

播種6週間後
播種6週間後

播種7週間後
播種7週間後

(6月23日更新)

6月12日 順調に発芽しています。

発芽状況

6月16日 梅雨の中休みといったところでしょうか、地面も乾いてきました。

発芽状況

大きくなったので間引きを行いました。間引いたトウモロコシは隔離ほ場内の専用区画に埋めて堆肥化します。

間引きした様子

6月18日 栃木県内では宇都宮市で近年まれな豪雨被害がありましたが、幸い研究所周辺では激しい降雨は免れました。前日、防鳥網を収穫期まで対応できる大きなものに張り替えました。

網交換と支柱強化

発芽状況の拡大画像です。鉄パイプ支柱の左側が組換え体、右側が対照品種です。

発芽状況の比較

(6月9日更新)

6月4日に遺伝子組換えトウモロコシ(除草剤グリホサート耐性)の種子を隔離ほ場に播きましたのでその様子をお知らせします。

5月22日のほ場の様子です。まだ耕起も施肥もしていません。

ロータリー前
5月23日にロータリーによる耕起を行いました。終了後はトラクターについた土を高圧洗浄機でよく洗い落とします。

ロータリーロータリー後洗浄

5月28日にジェットシーダーという便利な機械で、施肥と作畝を行いました。銀色の箱の中に化成肥料を入れます。本来ですとその下に4つある赤いボックスに種子を入れて種播きも同時にできるのですが、今回は手播きですので種子は入れません。
肥料が土中に入ったあとを黒いローラーが鎮圧して平らにしていきます。

肥料やり作業の様子

75cm間隔のきれいな畝ができました。終了後は、ローラー、タイヤともに土をよく洗い落とします。

作業の様子洗浄の様子


6月4日 播種の様子です。2mの物差しを使って40cmの株間で1か所に3粒ずつ、組換え体区には組換え体の種子を、非組換え体区には非組換え体の種子を間違えないよう播いていきます。尚、試験区の周囲の花粉源用の非組換えトウモロコシは前日に播き終えています。終了後はほ場の土を外に出さないように長靴を水道でよく洗います。

種まきの様子長靴洗浄

播き終わったあとは鳥にほじくられないように網を張ります。関東地方は翌6月5日に梅雨入りとなりました。その後ずっと雨が降り続きましたが、梅雨入りまでしばらく雨が降っていなかったので幸いほ場はぬかるんでいません。

網張りの様子作業完了した圃場の様子