昆虫は周囲の温度によって体温が変化する変温動物であり、その活動や成長、生存は気温に大きく左右されます。さらに、降雨や湿度、日照、風といったさまざまな気象要因も、昆虫の発生や行動に深く関係しています。近年の地球温暖化の進行により、害虫の年間世代数の増加や被害の拡大、暖地性害虫の分布域拡大、発生時期の変化などが指摘されています。また、猛暑や豪雨といった極端な気象現象が常態化しつつあり、これまでの経験に基づく防除だけでは対応が難しい場面も増えています。こうした背景のもと、国が定めた総合防除実践ガイドラインでは、「予防・予察」を重視した総合防除の推進が掲げられており、害虫の発生や被害をより正確に予測する技術の重要性が高まっています。このような状況に対応すべく、私たちのグループでは、科学的根拠に基づいた害虫の発生予察技術の開発や被害リスク解析を中心に研究を行っています。
