第6期研究課題一覧令和8年4月1日現在

農研機構は、「食料の自給力向上と安全保障」「農業・食品産業の競争力強化と輸出拡大」「生産性の向上と環境保全の両立」を3つのビジョンとして掲げ、以下の研究開発と成果の実用化・普及を通じてこれらの実現を目指します。

セグメントI 高収益地域スマート生産システム

地域に特徴的な気象条件や経営に合ったスマート農業技術等の開発により、生産性や収益性の向上等による食料安全保障確保と持続可能な生産システム構築に貢献する。

北海道農業研究センター

1. 寒地・大規模スマート生産システムの構築による農畜産物の供給力拡大

  • 省力・持続的なスマート生産システムの開発による寒地大規模畑輪作の生産力強化
  • 自給飼料新品種とスマート技術による乳牛の健全性向上と牛乳・乳製品の高付加価値化
  • 気象変動に対応した寒地大規模水田輪作・複合経営モデルの開発による収益向上

東北農業研究センター

2. 水田複合経営におけるスマート生産システムの構築による生産性の向上

  • スマート生産管理技術を基盤とする持続的水田輪作システムの開発による生産性向上
  • DX管理と画期的品種を活用した野菜作生産体系の構築による水田複合経営の収益向上
  • データ駆動型圃場管理による中山間地の生産力強化と原発被災地の営農再開促進

中日本農業研究センター

3. 都市近郊・大規模経営向けスマート生産システムの構築による生産性の向上

  • 大規模経営におけるスマート技術の活用によるマネジメントの強化
  • 大規模水田作経営体における栽培管理適正化による生産性の向上
  • 都市近郊における持続可能な高付加価値野菜生産技術の開発による生産性の向上

西日本農業研究センター

4. 中山間地域におけるスマート生産システムの構築による労働生産性の向上

  • 中山間地域におけるGISを活用した省人的多筆管理技術による労働生産性の向上
  • 中山間地域におけるスマート放牧と持続型牛肉生産体系の構築による国産飼料利用の強化
  • 植物生育・環境の予測技術による中小規模施設園芸の生産性向上とエネルギー効率化

九州沖縄農業研究センター

5. 暖地の農地高度利用を実現するスマート生産システムの構築による収益拡大

  • スマート農業技術を活用した暖地型大規模水田営農モデルの開発による収益向上
  • 暖地畑作経営を支える複合病害虫抵抗性品種と省力低コスト技術の開発による生産力強化
  • イチゴ等暖地野菜の気候変動適応品種の育成と新たな生産体系の開発による生産力強化
  • 暖地の飼料生産・利用拡大と省力的飼養管理技術の開発による肉牛繁殖経営の収益向上

セグメントII ネクスト生産基盤システム

農地・水利施設、農業機械、作物・畜産等のスマート生産基盤に関する技術開発と結集、地域農業研究センターとの連携により、飛躍的な生産性向上を実現し、食料安全保障の確保に貢献する。

農村工学研究部門

6. 高効率で強靭な農業インフラの構築による食料供給能力の強化

  • 高効率な生産基盤の創出促進・フル活用技術の開発
  • 資源循環や再エネ地産地消を推進する空間計画技術の開発による循環経済の構築
  • 保全対策技術の開発による農業水利施設の被災・突発事故の最小化
  • 農業水利施設の操作支援技術の開発による渇水・浸水被害の最小化と管理の超省力化

農業機械研究部門

7. 農作業のスマート化による生産性向上・環境負荷低減と安全性の強化

  • 自動化農機の適応タスク拡大による農作業の省力・高効率化
  • 革新的作業機構の適用拡大による生産性向上と環境負荷低減
  • 農作業環境デジタルツイン構築による農作業安全のスマート化

作物研究部門

8. スマート育種基盤を活用した作物品種開発と開発力の強化

  • 革新的水稲品種の開発による食料安定供給力の強化
  • 革新的畑作物品種と対応栽培技術の開発による食料安定供給力の強化
  • ネクスト育種システムによる品種開発力の強化

畜産研究部門

9. 持続可能な畜産物生産システムの構築による生産力強化

  • 牛の精密繁殖管理と受精卵利用技術開発による生産力強化
  • 肉用家畜の飼料利用効率改善技術開発による生産力強化
  • 牛メタン排出大幅削減技術とスマート飼養管理技術開発による生産力強化
  • スマート技術を活用した効率的・多収飼料生産利用技術の開発による国産飼料生産力強化
  • 環境保全型資源循環とアニマルウェルフェアに配慮した飼養管理による生産力強化
  • 野生鳥獣対策技術開発による農畜産物被害の低減

セグメントIII 革新的バイオ・フードシステム

国産農産物・食品の利用技術のスマート化、果樹・野菜等の生産力向上技術の開発、革新的農作物・食品等の開発により、我が国の農業・食品産業の産業競争力を強化し、輸出拡大と新市場開拓に貢献する。

食品研究部門

10. 国産農産物・食品の利用技術のスマート化による食品産業の成長力強化

  • 農産物の非破壊品質評価及び品質保持技術の開発による輸出拡大
  • フードサプライチェーンにおける食品ロス削減と収益力向上の両立
  • 日本型食生活を基盤とした食による健康社会の実現
  • 発酵・国産素材利用による新食品・バイオ産業創出

果樹茶業研究部門

11. 果樹・茶の生産プロセスのスマート化による生産力と輸出力の強化

  • 果樹基盤技術の開発による生産力強化と輸出拡大
  • 品種育成とスマート生産システムによるリンゴの生産力強化と輸出拡大
  • 品種育成とデータ駆動型生産システムによるカンキツの生産力強化と輸出拡大
  • 品種育成とデータ駆動型栽培システムによるブドウ・カキの生産力強化と輸出拡大
  • 高付加価値茶の持続的安定生産技術の開発による生産力強化と輸出拡大

野菜花き研究部門

12. 野菜・花きのスマート生産技術・品種の開発による生産力強化と環境負荷低減

  • ニーズに応じた野菜品種・系統の開発による安定生産および国内外展開
  • 革新的な花き品種・系統および基盤技術の開発による安定生産
  • 露地野菜および花きのスマート生産技術の開発による生産力強化
  • 施設園芸におけるスマート生産技術の開発による生産力強化とエネルギー効率の向上

生物機能利用研究部門

13. デジタル技術を活用した革新的生物素材開発による新産業の創出

  • 絹糸昆虫の機能高度化と生産性の向上による革新的タンパク質素材と新機能シルクの開発
  • 有用昆虫の機能強化と革新的昆虫機能利用技術開発による昆虫産業の強化
  • 細胞・組織の改変利用技術の開発による新機能バイオ素材の創出
  • 革新的な植物・微生物相互作用の利用技術による農業生産力の強化
  • 先端的遺伝子改変技術による革新的農作物の創出と産業競争力の強化

セグメントIV 環境変動適応生産システム

環境と調和を図りつつ安定的に食料生産が可能な生産システムの確立と農畜産業の持続性の向上による食料安全保障の確保に貢献する。

農業環境研究部門

14. データ集積による環境変動に適応した農業環境の持続的な総合管理技術の高度化

  • 脱炭素社会を実現するための温室効果ガス削減及び土壌炭素貯留技術の高度化
  • 気象・作物情報基盤の高度化と適応技術の実効性評価による作物生産のレジリエンス強化
  • ネイチャーポジティブ実現に向けた生物多様性指標とモニタリング技術の開発・高度化
  • 土壌環境の総合評価に基づく持続的な土壌管理及び農業環境特性評価技術の高度化
  • 安全な農産物の生産に向けた環境化学物質の制御・低減技術の高度化

植物防疫研究部門

15. 環境負荷低減型総合防除技術による病害虫・雑草の被害低減

  • 越境性・高リスク病害虫の先端的な発生予測・診断・防除技術の開発によるリスク低減
  • 病害虫総合防除技術の開発による生産性向上と環境負荷の低減
  • 外来雑草・難防除雑草の総合防除技術の開発による生産性向上と環境負荷の低減

動物衛生研究部門

16. 診断及び防除技術の開発・実用化による家畜疾病の監視強化と被害低減

  • 越境性家畜感染症制御技術の実用化による農場被害と輸出リスクの最小化
  • ウイルス感染症の監視体制強化と診断・制御技術開発による被害低減
  • 細菌感染症の監視・診断・制御技術の開発・実用化による被害低減と家畜衛生・公衆衛生の向上
  • データサイエンスを活用した家畜疾病の監視強化と早期検知技術の開発による生産性の向上

基盤技術研究本部 共通基盤技術

先端研究基盤の整備と活用により、セグメント研究の成果創出を加速化し、日本の農業・食品産業のデジタル化と持続的発展に大きく貢献する。

農業情報研究センター

17. セグメント研究を加速化するためのAI・データ研究と情報研究基盤強化

  • 多種多様なデータを活用した生成AI技術の高度化と情報研究基盤の強化
  • WAGRIの普及拡大と農業データ活用の高度化
  • CPS構築を実現するAI技術の開発とAI研究牽引人材の育成

農業ロボティクス研究センター

18. 農業ロボティクス基盤技術の開発による生産性・作業効率の向上

  • ロボティクス植物工場による施設園芸の競争力強化
  • スマート農機と連携した土壌メンテナンスシステムの高度化による生産性向上と環境保全の両立
  • 最先端基盤技術によるロボティクス研究開発力の強化

遺伝資源研究センター

19. ジーンバンク事業の安定的推進と利活用促進に向けた遺伝資源の価値向上

  • 農業生物資源ジーンバンク事業推進と遺伝資源の価値を高める情報整備
  • 超低温保存技術の高度化による長期安定保存可能な遺伝資源の適用範囲拡大
  • 有用形質評価による遺伝資源の高付加価値化と利活用促進

高度分析研究センター

20. バイオテクノロジー情報・技術基盤の整備と活用

  • オミクス情報解析技術の開発・高度化によるバイオ産業基盤の整備
  • 新たな農業・食品産業の創出に資する生体高分子解析技術の高度化と基盤整備
  • 農業・食品産業における有用・有害成分情報の収集・活用基盤の整備
  • 農産物・農業環境分析技術の高度化と統合解析基盤の整備