研究活動報告

令和6年度(第20回)若手農林水産研究者表彰受賞報告

情報公開日:2024年12月 4日 (水曜日)

令和6年11月27日(水曜日)に令和6年度(第20回)若手農林水産研究者表彰の表彰式が行われ、農研機構からは農村工学研究部門の泉 明良、動物衛生研究部門の西 達也の2名が受賞しました。

受賞業績及び所属の概要は以下の通りです。

受賞者

左から泉 明良 主任研究員、西 達也 主任研究員

農研機構 農村工学研究部門

施設工学研究領域 施設整備グループ
泉 明良 主任研究員

「ため池の防災・減災・維持管理を支援するシステムの開発」

遠心力載荷実験などを活用し、ため池の決壊危険度を正確に予測する基礎研究を行い、成果を応用して「ため池防災支援システム」、ため池の維持管理状況をPCやスマートフォン等を利用して効率的に把握するプラットフォームを構築しました。これらは全国5,000名の自治体職員に利用されており、防災・減災対策の加速化、維持管理状況の集約化と管理労力の軽減に貢献しています。

農研機構 動物衛生研究部門

越境性家畜感染症研究領域 海外病グループ
西 達也 主任研究員

「豚熱およびアフリカ豚熱の迅速な防疫を支える診断法の開発」

豚熱の拡大及びアフリカ豚熱侵入防止のため、民間企業と連携して簡便で迅速なウイルス識別検査法や野外株・ワクチン株識別検査法などを開発しました。従来法は判別する際に操作の煩雑さや、検査時間の長さ、誤判定リスク高さが課題でしたが、この診断方法開発により、高い精度で多検体から迅速に検査することが可能となりました。さらに、野生イノシシでの検査適用範囲を拡大できる簡便な前処理方法を確立しました。これらは、国の特定家畜伝染病防除指針に掲載されるとともに、キットとして販売され、全国の家畜保健衛生所で広く活用されています。