賞の名称
日本食品工学会 第24回年次大会 優秀発表賞
授賞者
一般社団法人 日本食品工学会
受賞対象
高周波パルス加熱を用いた生呉の加熱が大豆加工食品の品質に及ぼす影響
受賞者
農研機構食品研究部門
食品加工・素材研究領域 食品加工グループ
長屋 美玖
研究推進部 研究推進室
植村 邦彦
受賞日
2023年8月28日
賞の概要
大豆を水とともにミキサーや石うすで摩砕・破砕してスラリー状にしたものを「生呉」と呼びます。生呉の加熱は、豆乳や豆腐をはじめとした大豆加工食品の収量や品質に影響を及ぼす重要な工程とされていますが、従来の加熱方法では加熱温度が不均一でムラになりやすいという課題があります。加熱ムラにより生じる低温部は、残存酵素の働きによる不快臭生成の原因となり、一方で長時間の加熱は、蛋白質の過度な変性や加熱臭の発生による品質低下の原因となります。
そこで受賞者らは、高周波パルス連続加熱とよばれる電気的加熱技術を開発し、生呉の迅速・均一加熱を実現しました。今回は、本技術が約0.6秒間で生呉を100°C以上に昇温することが可能であり、短時間で効率よく酵素が失活することで、豆乳の品質が向上することを発表しました。本技術は生呉以外にも、様々なペースト食品への応用が期待されます。