賞の名称
日本食品工学会 産学官連携賞
授賞者
一般社団法人 日本食品工学会
受賞対象
胃内で気泡含有ゲルを形成する飲料の開発と胃消化挙動の評価
受賞者
大正製薬株式会社 堂本隆史
農研機構食品研究部門 神津博幸・小林功
筑波大学 市川創作
受賞日
2024年8月19日
賞の概要
この度、農研機構食品研究部門、筑波大学、大正製薬株式会社の三者で実施した共同研究を含む成果に対して、一般社団法人日本食品工学会より、「産学官連携賞」が授与されました。
肥満予防は、生活習慣病を抑制し健康寿命を延伸させるために重要です。大正製薬株式会社では、胃壁伸展による食欲抑制効果に着目し、胃液の酸性条件下で発泡し気泡含有ゲルを形成する炭酸飲料の開発を行いました。服用性、持続性および利便性向上の観点からペクチンを配合した炭酸飲料を開発し、ヒト胃内での気泡含有ゲルの状態および満腹感向上に関する知見を得ました。次に、大正製薬株式会社、農研機構食品研究部門、および筑波大学が連携し、胃のぜん動運動を模擬したヒト胃消化シミュレーター(農研機構及び筑波大学の共同特許、特許第6168585号)を用いて、気泡含有ゲルの詳細な生体外評価を行いました。その結果、膨張性と持続性に優れた気泡含有ゲルの形成には、エステル化度が低く、アミド化度が高いペクチンを使用するとともに、飲料中のクエン酸濃度を低く抑えることが重要であるという指針を提示することができました。さらに、本共同研究の成果は製品開発後のリニューアルに活用されました。一連の研究開発に対する成果が、今回の受賞に繋がりました。
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