研究活動報告

日本食品工学会 第25回年次大会 優秀発表賞 受賞

情報公開日:2024年12月20日 (金曜日)

賞の名称

日本食品工学会 第25回年次大会 優秀発表賞

授賞者

一般社団法人 日本食品工学会

受賞対象

ペースト状食品の引張強度に基づくスクリュー式3Dフードプリンティングの特性評価

受賞者

農研機構 食品研究部門
食品加工・素材研究領域 食品加工グループ
主任研究員 神津 博幸
研究員 梅田 拓洋
上級研究員 小林 功

受賞日

2024年8月20日

賞の概要

 3Dフードプリンティングは、食品を三次元的に成形加工する技術です。可食性のインクとなるペースト状食品の物理特性から、3Dフードプリンティングの安定性を事前に評価することができれば、対応可能な食材種の幅が広がります。本研究では、ペースト状食品の物理特性として、重力による自発的破断に基づく一軸方向の引張強度(以下「ペースト引張強度」という。)を測定し、当該物理特性がスクリュー式3Dフードプリンティングに与える影響を評価しました。
 3種類の農産物由来フレーク(カボチャ、ポテトおよび、ニンジン)に水を加え、フレーク含量の異なる約20種類のペースト状食品を調製しました。シリンジを用いてこれらペースト状食品を鉛直下向き線状に押出し、自重により自発的に破断した断片の重さからペースト引張強度を測定しました。その結果、ペースト引張強度が一定の範囲内では、3種類の食材種に依存せず3Dフードプリンティングが安定化することがわかりました。またペースト引張強度は、一部の既往の物理特性ともよく相関しました。以上より、ペースト引張強度を測定することでスクリュー式3Dフードプリンティングを、ある程度簡便に事前評価できる可能性が示唆されました。本研究の成果は、3Dフードプリンティングにおける安定的な成形加工に貢献すると期待されます。

【画像】表彰状