研究活動報告

園芸学会令和7年度春季大会 優秀発表賞 受賞

情報公開日:2025年6月17日 (火曜日)

賞の名称

園芸学会令和7年度春季大会 優秀発表賞

授賞者

一般社団法人園芸学会

受賞対象

果実の糖度,収穫後の追熟,および低温貯蔵が溶質モモ'あかつき'の風味特性に与える影響

受賞者

農研機構 食品研究部門
食品流通・安全研究領域 分析評価グループ
研究員 大須賀 玲

受賞日

2025年4月7日

賞の概要

 風味とは、食べ物の味と香りから構成される複合的な感覚です。モモ果実は同じ品種であっても個体により「甘い」「青くさい」「味が濃い」など様々な風味の特徴を呈しますが、同一品種内におけるモモ果実の風味の特徴を人がどのように捉えているかを数値化した事例は少なく、風味に影響を及ぼす要因については不明な点が多く残っていました。
 今回、受賞者らは、モモ果実の風味に影響を与える可能性の高い要因のうち、糖度、収穫後の追熟、および低温貯蔵に焦点を当て、これら3つの要因がモモ果実の風味特性に与える影響について分析型官能評価により検証しました。その結果、追熟により果肉が柔らかくなると低糖度のモモ果実の「甘い風味」が増加する、高糖度のモモを追熟後に2週間低温貯蔵すると「桃らしい風味」が減少する等,複数要因の組み合わせが及ぼすモモ果実の風味特性への影響が明らかとなりました。本成果は、より風味の良いモモ果実の育種・栽培や、収穫後モモの風味や品質向上技術への応用が期待されます。

【画像】表彰状