研究活動報告

令和3年度 ゲノム編集技術により得られたステロイドグリコアルカロイド低生産性バレイショ(ジャガイモ)の栽培実験について

情報公開日:2021年4月12日 (月曜日)

農研機構では、ゲノム編集技術により得られた天然毒素の少ないジャガイモの野外栽培実験を、令和3年4月より開始いたします。

ジャガイモは、陽に当たって緑化した皮や芽の部分に、食中毒の原因となるソラニンやチャコニンなどの天然毒素(ステロイドグリコアルカロイド)が蓄積します。本試験で栽培するゲノム編集ジャガイモは、国立大学法人大阪大学及び国立研究開発法人理化学研究所の研究グループが作出したもので、陽に当たっても天然毒素があまり蓄積しないため、食中毒の減少が期待されます。
理化学研究所は、文部科学省が定めた「研究段階におけるゲノム編集技術の利用により得られた生物の使用等に係る留意事項について(通知)」に基づき、使用等に先立って「ゲノム編集技術の利用により得られた生物の使用等に係る実験計画報告書」を文部科学省に提出し、令和3年4月5日に受理されました。これを受けて、農研機構は、農林水産省委託プロジェクト「ゲノム編集技術を活用した農作物品種・育種素材の開発」の共同研究の一環として、機構内のほ場において本ゲノム編集ジャガイモの野外栽培実験を行います。
提出された実験計画報告書の内容については、下記の文部科学省のウェブページからご覧いただけます。

栽培実験の概要

栽培予定時期: (春作)令和3年4月下旬~令和3年8月上旬
(秋作)令和3年8月下旬~令和4年1月上旬
栽培場所: 農研機構 観音台第2事業場 隔離ほ場(茨城県つくば市観音台2-1-2)
注: 本ゲノム編集ジャガイモは、カルタヘナ法*で規制される遺伝子組換え生物等には該当しませんが、栽培実験は予め届けられた栽培ほ場で行います。
*カルタヘナ法: 遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律

ステロイドグリコアルカロイド低生産性ジャガイモの栽培実験計画書(別紙)

問い合わせ先など
栽培実験実施者: 農研機構 生物機能利用研究部門 所長 吉永優
問い合わせ先: 農研機構 企画戦略本部 新技術対策課
電話番号 029-838-7138
URL:https://www.naro.go.jp/inquiry/index.html