生物機能利用研究部門の職員が以下のとおり受賞しましたのでお知らせいたします。
受賞者
寺本 英敏 グループ長補佐(絹糸昆虫高度利用研究領域 新素材開発グループ)
受賞業績
カイコの遺伝暗号拡張による新規シルク素材の創出と応用
受賞概要
翻訳プロセスにおいて人工アミノ酸をタンパク質中に導入する遺伝暗号拡張の手法をカイコに初めて適用し、性質の異なる複数の人工アミノ酸を導入したシルクタンパク質(フィブロイン)の創製に成功した。特に、アジド基を有する人工アミノ酸の導入により、クリックケミストリーを用いた簡便な機能付与が可能となった「クリッカブルシルク」は、高機能繊維や医療素材などへの社会実装に向けた応用研究が進められている。さらに、人工アミノ酸の導入によってフィブロインの物理的性質を改変できる可能性も示されており、タンパク質素材としての利用範囲を大きく拡げることが期待される。
なお、日本シルク学会賞は蚕糸・絹・絹蛋白加工・絹利用に関する優れた技術・研究に対して授与される賞である。
受賞年月日
令和7年11月29日
いただいた賞状
授与後の様子(左が寺本グループ長補佐、右は信州大学・玉田 シルク学会長)