研究活動報告

育種学会賞とNARO RESEARCH PRIZE をダブル受賞

情報公開日:2022年5月26日 (木曜日)

日本育種学会賞

受賞対象

難裂莢性ダイズ品種群の育成

受賞者

作物研究部門 「難裂莢性ダイズ品種群」育成グループ (代表者 : 羽鹿牧太)

受賞日

2022年3月20日

NARO RESEARCH PRIZE SPECIALIII

受賞対象

難裂莢性ダイズ品種群の育成とSOPを活用した普及推進

受賞者

難裂莢性ダイズ品種群育成と普及推進グループ

表彰内容

https://www.naro.go.jp/project/results/research_prize/files/prizespecial3_8.pdf

背景

国産ダイズの単収は海外の主要生産国(米国・カナダ・ブラジル等)に比べて低く、その原因の一つに莢がはじけて豆が地面にこぼれ落ちてしまうことによる収穫ロスがあります。この収穫ロスを減らすため、主要な大豆品種に莢がはじけにくい特性(難裂莢性(なんれっきょうせい))を導入した品種群を育成しました。平成29(2017)年度の重点普及成果に選定され、SOPを作成し事業開発部との連携により普及拡大を進めています。

図1 難裂莢性のダイズ
難裂莢性の品種(左)は、易裂莢性品種(右)に比べ、乾燥機で加熱・乾燥しても
ほとんど莢がはじけずに、収穫時の損失が少ない品種となります。

育成と栽培面積

難裂莢性遺伝子関連マーカーにより、従来品種に容易に難裂莢性を付与することができるようになりました。育成の結果、「サチユタカA1号」は兵庫・奈良(令和4年度以降に山口、島根、三重)「フクユタカA1号」は愛知、「えんれいのそら」は富山、「ことゆたかA1号」は滋賀で普及が進められています。この他、「フクユタカA1号」については、熊本県や鹿児島県の生産組合法人などが導入に向けた大規模な現地栽培試験を継続中です。

図2 難裂莢性品種群の面積の推移
R3は暫定値、R4以降は見込みの数字です。

今後

令和5年にはこれらの品種群の合計作付面積は1万haを超え、北海道を除く国内の大豆栽培面積の約10%に達すると見込まれております。