研究活動報告

水稲乾田直播・子実用トウモロコシフォーラム2022をオンラインで開催しました

情報公開日:2022年3月18日 (金曜日)

開催日時

令和4年3月2日 (水曜日) 10時30分~16時30分

開催方法

オンライン開催

参加者数

申込者422名 (生産者・農業団体111名、行政・普及機関106名、マスコミ12名、民間企業87名、研究機関92名、大学3名、その他11名)

開催概要

近年、農業従事者の減少・高齢化や小規模経営体の離農等に伴い、担い手経営体への農地集積による規模拡大が加速化し、効率的な営農の実現に向けた基盤整備や大区画化が進行しています。その一方、コロナ禍等の影響による米価の急激な下落が見られるなど、水田農業は大きな転換期を迎えています。今後、水田農業の維持・発展のためには、水稲の省力・低コスト栽培技術や、大規模な経営体に適合する省力的な輪作作物の導入・拡大が喫緊の課題となっており、東北地域においては、省力・低コスト化に向けた水稲乾田直播栽培が拡大し、また省力的な作物として子実用トウモロコシへの関心が高まってきています。これらを踏まえ、生産者、普及・研究機関、企業等の連携による、水田輪作を基軸とした水稲乾田直播栽培および子実用トウモロコシ栽培の技術向上と普及拡大を図ることを目的として、両栽培の取組事例を検討し、アドバイザリーボード委員等と意見交換を行うフォーラムを開催しました。

農研機構東北農業研究センター 羽鹿所長ならびに岩手県農林水産部農業普及技術課による挨拶に続いて、農研機構農業機械研究部門 大谷所長より「持続的な水田輪作営農に向けて」と題した基調講演が行われ、東北・北海道地域における乾田直播栽培技術開発の経緯が紹介されるとともに、子実用トウモロコシ等を導入した水田輪作体系確立の重要性が提言されました。

続いて、第1部・水稲乾田直播栽培の事例検討では、岩手県一関地域(JAいわて平泉、岩手県一関農業改良普及センター)、福島県南相馬市(農研機構東北研、(株)紅梅夢ファーム)、新潟県新発田市((有)アシスト二十一)の3事例について話題提供され、それぞれの事例に対して活発な質疑が行われました。その後の意見交換では、栽培に好適な圃場条件・品種・輪作作物や栽培管理の要点等について、アドバイザリーボード(水田作)委員の意見も含め、多くの議論を行いました。

次に、第2部・子実用トウモロコシ栽培の事例検討では、岩手県花巻市((株)アドバンス)および北海道夕張郡長沼町(北海道子実コーン組合)の2事例について話題提供され、非常に活発な質疑がなされました。意見交換では、アドバイザリーボード(畜産)委員とともに、播種・収穫機械の選択、収量向上のポイント、乾燥調製上の留意点や導入効果、耕畜連携等広範囲な検討を行い、今後の子実用トウモロコシの普及拡大に向けた有益な議論となりました。

写真1
開会挨拶(羽鹿所長)
写真2
セミナーの様子

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