開催日時
2023年2月16日 (木曜日) 13時00分~16時00分
開催方法
ハイブリット開催(いわて県民情報交流センター(アイーナ)、山形県農業総合研究センター水田農業研究所、福島県農業総合センター、新潟県農業総合研究所およびオンライン)
参加者数
237名 (生産者43名、農業団体13名、民間企業51名、マスコミ7名、大学4名、行政・普及・公設試80名、農水省3名、その他20名、農研機構16名)
開催概要
水稲湛水直播栽培は育苗が不要で省力化できるだけでなく、春作業や収穫作業が移植栽培とずれることから経営規模拡大に有効である等の特長があります。しかし、移植栽培よりも低い収量や、種子のコーティング等がネックとなり、低コスト化は十分ではありませんでした。そこで本プロジェクトでは、農研機構東北農業研究センターを中心に、一層の省力・低コスト化と安定生産を実現するため、根出し種子による苗立ち率の改善や播種機の大型化・効率化を図った無コーティング種子湛水直播栽培技術の確立に取り組んできました。本報告会では、本プロジェクトで得られた研究報告や実証報告を中心に、水稲無コーティング種子湛水直播栽培の概要や栽培上のポイントを紹介するとともに、各会場では、播種機の展示や栽培に取り組むための技術相談が行われました。
主催者を代表して農研機構東北農業研究センター 川口健太郎所長による開会挨拶がありました。水稲無コーティング種子湛水直播栽培技術の紹介では、まず、技術の概要が紹介されました。次に、水稲無コーティング種子湛水直播技術の研究報告では、根出し種子の苗立ち促進効果や、根出し種子の作成方法と保管方法、苗立ちを安定させるための圃場準備法、鳥害を軽減するための水管理方法、除草剤使用の方法と雑草防除上の利点、本プロジェクトで開発された折りたたみハロー対応大型播種機の構造と性能について説明がありました。
水稲無コーティング種子湛水直播技術の実証報告では、東北地域太平洋側(岩手県、福島県)、関東地域(埼玉県)、北陸地域(新潟県)、東北地域日本海側(秋田県)の5県での現地実証について、地域ごとに、適した品種や栽培上のポイント、他の水稲直播技術(鉄コーティング湛水直播や乾田直播)と比較して有利な点が紹介されました。さらに、福島県の事例では、ロボットトラクタを使用し、圃場内のフルオート(無人走行)播種作業ができることや、播種精度が良好であることが紹介されました。また、秋田県の事例では、労働時間や収益性の面で、水稲無コーティング種子湛水直播技術が、鉄コーティング湛水直播や移植栽培よりも優れていることが報告されました。
質疑応答では、根出し種子の作成方法や保存方法、苗立ちを安定させるための播種深度や圃場条件、鳥害対策の方法、除草剤の使用方法、本プロジェクトで開発された折りたたみハロー対応大型播種機の販売開始時期、各県での栽培上のポイント、ロボットトラクタでのフルオート(無人走行)播種作業、他の栽培方法(鉄コーティングなど)と比較した収益性などの質問があり、活発な意見交換が行われました。
最後に、播種機の展示と栽培に取り組むための技術相談が行われ、それぞれの生産者の質問や課題について回答しました。
開会挨拶(川口所長)
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成果報告会の様子
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