開催日時
2024年1月10日 (水曜日) 13時00分~16時30分
開催場所
いわて県民情報交流センター「アイーナ」 小田島組☆ほ~る
参加者数
229名(内訳:生産者55、JA19、企業67、行政24、公設試11、大学・研究機関1、マスコミ4、個人5、その他4、国立研究機関39)
開催概要
我が国のタマネギ消費量のうち約6割を占める加工業務用途を中心に、国産タマネギの周年供給力の強化に向け、夏季の端境期出荷が可能な東北地域等への新たなタマネギ産地の拡大に期待が寄せられています。これに対して東北地域のタマネギ生産拡大に向け、「東北タマネギ生産促進研究開発プラットフォーム」が設立され、産地形成の取り組みが動き出すとともに、生産性の改善や品質向上に向けた技術開発が行われています。本セミナーでは、東北地域で始まったタマネギ産地形成の取り組みについて紹介、あわせて生産性向上に資する技術開発の現状について報告し、東北地域におけるタマネギ生産の今後の方策等について議論しました。
主催者である農研機構東北研 川口所長の挨拶の後、6題の話題提供を行い、それぞれ質疑を行いました。
はじめに、みらい共創ファーム秋田 涌井代表から「タマネギ生産のスマート化に対する期待」と題して、これまでの取り組みと今後の展開への期待についての講演があり、東北研 田宮産学連携コーディネーターからは「東北タマネギ生産促進研究開発プラットフォームの取組について」との演題で、東北タマネギ生産促進研究開発プラットフォームについて紹介がありました。
東北研 山口主任研究員からの「りん茎含水率に着目した土壌水分のタマネギへの影響評価」と題する報告では、会場から腐敗と土壌水分や品種との関係、りん茎含水率の測定方法などについて質問がありました。タキイ種苗の宇野課長からは「東北地域に向けたタマネギ品種開発戦略」として、タマネギの基本特性、東北でのタマネギ栽培に向く品種特性と育種技術についての講演があり、会場からは東北での栽培に向く品種の開発に期待するコメントがありました。
九沖研 松尾上級研究員からは「東北地域におけるタマネギ直播栽培の取組」と題する講演があり、移植栽培との比較、雑草対策や現状の普及面積などについて質疑応答がありました。双日農業株式会社の本田取締役からは「東北でのタマネギ産地支援の取組」と題したこれまでの取り組みと今後の事業展開について講演があり、一緒に取り組む生産者を増やし、40ha規模の産地形成を目指すとのことでした。
パネルディスカッションでは、東北研 佐々木畑作園芸研究領域長の座長のもと、会場からの質問に答える形で、涌井代表から、技術指導へのDX技術導入の取り組みについて紹介があったほか、雑草対策について本州での有効な除草剤の登録を期待する発言や、雑草対策としての輪作の利用の提案などがありました。輪作については病害対策にも有効ではないかとの意見も出され、双日農業株式会社の本田取締役からは、タマネギにこだわらず土地からの利益の最大化のために最適な輪作の組み合わせを検討したいとのコメントがありました。
最後に東北研 室グループ長からは栽培技術に関する情報を共有する取り組みの提案がなされ、東北のみならず全国に向けてプラットフォームの形成を加速するイベントとなりました。
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