開催日時
2026年8月4日 (火曜日) 9時00分 ~ 8月5日(水曜日) 14時30分
開催場所
農研機構東北農業研究センター 所内圃場
参加者数
103名 ( 内訳 : 全農・JA11名、行政13名、民間企業49名、生産者6名、マスコミ1名、その他3名、農研機構20名 )
開催概要
近年、東北地域においては、水稲の省力化・低コスト化技術として乾田直播栽培の普及が急速に拡大しています。一方で、乾田直播栽培の基本的かつ重要な技術である「播種床づくり」が十分に行われず出芽不良や出芽遅れなどを招く事例が多く見られるようになってきました。その要因として、代かき・移植体系(ロータリー体系を中心とした作業)に慣れた水稲生産者が、畑作物に近い作業体系(プラウ、スタブルカルチ、パワーハロー等を用いた作業)になる乾田直播栽培に取り組み始め、それが広がっているということがあげられます。このような新たな普及段階においては、更なる普及拡大に向け、最適な「播種床づくり」の重要性や具体的な機械作業について、生産者をはじめとする関係者の理解を深めることが不可欠です。しかし、これまでの座学ではそうした理解を図るうえで限界がありました。
そこで今回は、乾田直播栽培の指導・普及に取り組もうとするJA、普及関係者、農機や農薬関連企業の担当者を対象に、乾田直播に初めて取り組む生産者や経験の浅い生産者を指導するための知識と技術を学ぶ機会として、「播種床づくり」や「播種作業」を中心とする機械実演や研究員の解説、参加者自身による圃場の仕上がり状況の確認等を内容とした作業実演・実地勉強会を開催しました。
開会にあたり、技術適用研究チーム長が挨拶を行い、その後スケジュールや注意事項を確認して、2日間にわたる勉強会をスタートしました。
1日目は、東北農業研究センターの圃場において、スマート水田輪作グループ長、主任研究員らにより、使用機械の概要、乾田直播栽培の導入条件、基本の作業体系、播種床造成方法、播種機と播種量設定、アプリを活用いた積算気温による雑草防除適期の判断方法等について説明するとともに、各作業機械の実演を行いました。参加者は乾田直播栽培で使用する機械や実際の作業状況を見学するとともに、作業後の圃場に入って「硬く均一な播種床」の状態を確認しました。
また、事前に準備した播種後約1か月後の圃場では、鎮圧の有無による苗立ちの違いや、除草剤散布の有無による雑草発生量の違いを比較したほか、苗を引き抜いて播種深度や出芽状況の確認、写真撮影などを行いました。
2日目の午前も東北農業研究センターの圃場において、2種類の播種機のキャリブレーション方法、使用機械の違いによる播種床の硬さの違いや播種深度・苗立ちのばらつき、硬い圃場と柔らかい圃場におけるバーチカルハローの調整方法などについて、農機メーカーの説明・実演を交えながら説明しました。
参加者からは、「座学とは違い実際の圃場の状態が確認でき、非常に参考になる」「播種床造成や播種の様子を実際に見学でき、圃場状態の確認や、その結果を播種1か月後の圃場で確認できるなど、作業とその効果を実感することができた」「様々な農機の効果を実感できた。他では経験できない貴重な機会であった」などの感想が寄せられました。また、ローラーの違いによる鎮圧効果の違いや、砕土を行う際のスタブルカルチの調整方法、圃場条件ごとの最適な機械体系を整理した資料の有無などについて質問がありました。
2日目の午後は、希望者を対象に大区画緩傾斜圃場や乾田直播連作圃場、播種時期を様々に変えて栽培した大豆圃場の見学時間を設け、大区画水田の効率的な輪作利用について理解を深めていただきました。
当日の様子