市販の廉価な植物ステロールから6段階の反応で、ビタミンD類を同時に化学合成する手法である。入手困難なためビタミンD2やD3に比べて解析が遅れているD4~D7を、廉価に供給することが可能になり、ビタミンD類の研究の進展に有効である。
ビタミンD類の機能性等の研究は、主にビタミンD2とD3に対して行われており、他のビタミンD4、D5、 D6、 D7は殆ど行われていない。これは、ビタミンD2やD3以外のビタミンD類が、市販されていない、あるいは市販されていても非常に高価であり(表1)、入手困難なことが原因の1つである。そのため、ビタミンD4~D7を廉価に供給できる手法の開発が求められている。
そこで、本研究では安価に入手可能な市販の植物ステロールであるβ-シトステロールを原料に、有機化学的変換により、希少なビタミンD4、D5、D6、D7を含むビタミンD類を同時に合成する方法を開発する。